以前、某誌の吊り広告にぶら下がっていたこんな見出しに感服したことがある。
「人妻よ! 家に帰れ」
人妻たちの俳優、タレントの追っかけなどは今さら説明を要すまい。哀れ亭主は「ヨン様でカレーおでんの日が続き」である。
しかしそういう状況をもたらした責任は男の側にもある。『通販生活』のかつての人気企画「一語一絵」にクラーク博士の言葉をパロったこんな創句があった。
「中年よ、妻子を抱け!」
夫が外で遊んで妻子を抱かなくなったばかりに起きている世の異変……。しかしその夫もやがて妻を亡くし、妻は妻で夫を亡くし、それでも、いや、だからこそ感じる体の余熱――。そして高齢者二人がデートする。ただ無情にも忍び寄るボケ。逢瀬の誘いの電話もそのうちわからなくなってくるようだ。
でも、こういう恋のはなし、惚(ほ)れるも惚(ぼ)けるも恍惚の世界。おあとはよろしいようで。
恋のはなし
(毎日新聞専門編集委員/「デイキャッチ・勝ち抜き時事川柳」家元 近藤勝重)
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