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南極のタバコは安かった?

宮嶋茂樹(報道カメラマン)

雪上車に揺られて穴の開いたビール缶。南極ではちょっとした摩擦でもこんなことになる。が、ご配なく。噴出した泡は、ご覧のようにすぐ凍ってしまうので、掃除の心配はない。外気はマイナス20度。雪上車の中でもこんな状態である。オトロシイ。人間の住めるところではない。 不肖・宮嶋、20歳で初めて級友より「マイルド・セブン」をすすめられてから25年、1日たりともタバコを口にしなかった日はない。好みの「HOPE(ホープ)」は1日3箱(1箱10本)かける365日のさらにかけて25年……30万本近くを灰にしてきた。報道という仕事柄、過酷な状況でも、地球上のとんでもない場所でも、いつの時も「ホープ」は私の精神を正常に保ってくれたものである。あの平成8年、12月26日午前9時、はじめて南極大陸に立った瞬間の興奮もしずめてくれたものである。
 さて、とんでもない場所で、私はサソリや毒グモ、地雷などをフィルムに収めてきたが、その際、大きさが分かりやすいように「ホープ」をともに写しこんできた。それをご覧になった読者の方から度々、「どうやってタバコを調達しているのか」というご質問を受ける。当然、成田の免税店で大量に買い込むのである。訪問先がまともな国なら、もちろん課税されるが、それでも「ホープ」は私とともにずーっといた。では、南極ではどうしたかというと……これが、まあ……結構大変なのである。なんといっても、南極にはタバコ屋がないのである。

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