「久しぶりに同窓会に出てみたら、学生時代憧れ続けていたマドンナに再会してさ……」。気の合った同い年仲間3人で催している「いつもの会」でのメンバーの発言。彼によればこのマドンナ、当時より更に輝きを増していて、ときめく心を気取られぬよう食事に誘うとOKが取れたとか。少年のように上気しつつ話す彼の姿に嫉妬を覚えてしまった。
人間、60年も生きていると、そうそう胸のトキメキを覚える機会もない。せいぜい電車に飛び乗ろうとして、駅の階段をかけ上がった時くらいのもの。もっとも、この場合は、セットとして息切れもついてくるのだが。
私の場合も、何年かに一度、高校や大学の同窓会に参加するのだが、ついぞそんなマドンナに遭遇した記憶がない。30代や40代ならいざ知らず、この年になって焼け木杭(ぼっくい)に火がつくというのは、その彼女、よほど魅力があったに違いない。
若い頃ならいざ知らず、多少は心臓に苔が生えたこの年代、もしも十朱幸代さんのような同級生がいたなら、「どう、食事でも?」、なんて気の利いたセリフも吐けたとは思うが、残念ながら対象になる十朱さんは見当らず、眺める顔はイズミさん(注=和泉雅子さんではありません)ばかり……。
この夜は彼に刺激されたのか、皆が己の劣化を他所(よそ)に、「いい女」談議に花を咲かせました。それにしてもこの会、かれこれ10年以上も続いている。元はビジネスが縁で繋がったのだが、今やそんなことも関係なし。気が向いた時に集まってメシを食う。このルーズさがいいのかも知れない。時として、誰かがゲストを伴って来たりもするのだが、コアメンバーは3人だけ。共通点は、皆が昭和21年の生れということのみ。
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いつまでも楽しく
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