千葉ロッテマリーンズのバレンタイン監督は、「一流の組織をつくりたい」と言った。そして、「勝つということもそのプロセスにすぎない」とも。大人の意見であると思う。日本の監督は、「勝ちたいんや」とか「ID野球」としか言ってこなかった。気持ちや手段を語ることはあっても、高邁【こうまい】な理想を語ることはなかった。
いったい、いつ頃から日本人は理想を語らなくなったのだろう。今回の衆院選を見ても、小泉さんの「殺されても(郵政民営化を)やる」というフレーズ一発で自民党は大勝した。争点は「改革か非改革か」という二者択一に矮小化され、選挙はその手段におとしめられ、あげく「殺されてもやる!」という小泉さんの強い気持が国民の心を捉えた。誰も「この国をどういう国にしていくのか」という理想を語ってはいない。
結果、自民党には83人もの「小泉チルドレン」と呼ばれる新人議員が誕生し、「グリーン車にタダで乗れる」などとトンチンカンな発言で顰蹙【ひんしゅく】を買う輩【やから】までが出る始末である。新人研修会と称して、オリエンテーションを行なっているが、歳費を貰ってオリエンテーションを受けるというのも如何なものか。
そもそも、こんな「お子チャマ議員」が生まれてしまうことに問題がある。いっそ、誰も選んだ覚えがないのに選ばれてしまう比例区などやめてしまった方がいい。ペナントレースで勝率五割を切った西武ライオンズが日本シリーズに出るようなものだ。
衆参合わせて100人を超える二世議員も問題だ。もちろん個々には資質に差があり、一概に論ずることはできないが、政治を家業にすることには疑問が残る。
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理想を語らなくなった日本人
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