不動産投資といっても、対象はいろいろある。オフィス・ビル、アパート、ショッピング・モール、不動産リート。
しかし入門編は、ずばり一戸建て住宅だ。もちろん商業ビルやアパートでもかまわないが、手間が大変だ。
加治がアパートを最初に買ったのは28年前だったが、いきなり手に入れたので失敗と苦労、汗と涙の連続だった。
テナント確保、建物のメンテナンス、家賃回収、とにかく管理運営は甘くない。こればかりは机上の理論ではいかんともしがたく、実践で失敗を重ねて無駄金を費やし、ようやく体が習得するといった代物だ。素人が、いきなり切り盛りするのは、絶対にいただけない。
ときどき「管理会社に任せればいい」という人もいる。しかし、そういう人はおそらく、自分でアパートを持っていない人だと思う。
管理会社がどれだけ信用できるか、という根本が分かっていないのだ。
ひところは、手抜きの仕事は序の口で、預けた管理費もろとも倒産、夜逃げなどは珍しくもなかった。今でもあまり変わらないと思うが。
だから、オーナーの手の内に納まる戸建て住宅が気楽なのだ。
戸建て住宅への投資というのは、自分の経済状況や環境によって、五つのパターンが自由に選べられる。
(1)家を買い、家を売る。
(2)家を買い、他人に貸す。
(3)家を買い、しばらくは貸し、値上がりの時期を待って売る。
(4)家を買い、自分が住み、値上がりを待って売りに出す。
(5)家を買い、自分が住み、時期が着たら賃貸に出して、自分はもう一軒別の家を建てる。
人間の環境は一定ではない。山あり谷あり、クルクル変わる。その状況に応じて自分なりに住宅と付き合えばいいのだ。
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