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鳳蘭 女優

みんな神様のせいにすればいい

引退、結婚、そして離婚

木村― 宝塚でトップスターまで上りつめて、それでどうしてやめようと思われたんですか。

鳳―― やめようと思った理由は、いろいろあるんですね。まず、当時は安奈淳さん、汀夏子さん、榛名由梨さんと私で四大スターと言われたんですが、安奈淳さんがやめたこと。宝塚のトップスターって横綱と一緒なんですよ。おりられない、引退するしかないんです。で、安奈淳さんがやめたとき、私は9年トップスターしてたし、「そろそろ横綱を引退する時期かな」って思ったんですね。
 ちょうどその頃パリ公演へ行ったんです。パリ公演では、芸をした後、拍手をいただけるんです。でも日本では私が舞台に出てきただけで拍手をもろうて、「私、何にもしてないのに……」「ああこれはそろそろかな」と。
 それから、とにかく父が私の顔を見るたびに「結婚しろ」「結婚しろ」って。
 そんなことが重なって、二年かかったかな、やめるまでに。

木村― お幾つでおやめになったんですか。

鳳―― 33。で、すぐ結婚して、34で子どもを産んだんです。

木村― それでサラッと離婚する。

鳳―― サラッと? 6年も我慢したんですよ。でもね、私の我慢が足りなかったですね。やっぱり耐えることを知らなかった。ほんとに蝶よ花よで育てられたから、龍宮城から突然出てきて、いきなり結婚したからもうビックリして。
 結婚したときに、ファンの人が主人と私をお食事に招待してくれたの。で、主人が「ちゃんとお礼状を書いておけよ」と言うんで、「エッ、あっちが礼状書いてくるよ、私と食事できて」って。そしたら主人が「それは違うだろッ」。家でも電話が鳴ったら思わず「はい! 鳳です」って言ってしまって、主人はカァーッとにらむし、もう経験すること、経験することに傷ついてね。それは私が悪かった、いま考えたらね。でもね、私を育てようとしなかったあっちも悪いと思う。だから両方悪い、離婚ってね。
 でも、やっぱり結婚してよかったです。社会とは厳しい、こういうものなんだっていうのがわかったから、ぬるま湯ではないということがわかったから。

木村― 離婚されて、あとはもう舞台ですね。いちばんの思い出の舞台っていうのは何ですか。

ジプシー(1991年)鳳―― 宮沢りえちゃんとやった「ジプシー」。ジプシー・ローズのお話で、宮沢りえちゃんの初舞台。芸術選奨文部大臣賞をいただいた舞台です。お客様と私がいっしょになってね、舞台の上でエクスタシーを感じましたよ。二度とそんな舞台ないね。

木村― やはりミュージカルが中心ですか。

鳳―― そう、ミュージカルね。でも私、レビューが好きですね。
 ミュージカルは役の人物が歌ったり踊ったりお芝居してるんです。でもレビューっていうのは、私自身が皆さんの前で歌ったり踊ったり、楽しませてあげられる。レビューがいちばん好きですね。でも悲しいかな、日本ではレビューを発表できるところないんですよ。でもこの頃、年に一回、卒業生たちでレビュー持って旅公演してるんですよ。
 田舎のおばちゃん、喜ぶ喜ぶ。幕あいたら、全員燕尾服で立ってるでしょう。ウォーッて。

木村― そういう宝塚のOGが一緒になれるっていいですよねえ。

鳳―― やっぱりね、母の子宮のなかに帰ったみたいな感じ。みんな、あの同じ釜の飯を食べた仲間でしょ。6月にも公演があるんですよ。

木村政雄編集長 Special Interview

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