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鳳蘭 女優

みんな神様のせいにすればいい

お笑いの世界へ

木村― この雑誌の読者は、そろそろリタイアのときを迎えている人が多いんです。とくに男性。女性はまあ元気ですから、ほっといても(笑)。そういう人へエールを送っていただきたいんですけど。

鳳―― まず、まだまだ若いと思うこと。自分の歳を演じちゃだめ。60代のときに50代に戻りたいと思ったり、後を振り返ってばっかりいてはだめ。
 それと、自分の精神を明るく健康にすることが、すべての始まりだと思う。自分を好きになること。自分をかわいがって、自分の精神を傷めないことがとっても大事なことじゃないかなと思う。
 だから、「人間万事塞翁が馬」で、会社をリタイアすることが悲しいことじゃなくて、「さあ次に何があるか、楽しみだな」と明るくものを考える。ぐれた息子がいたら、「これはいずれ大物になるために、きっと神様がぐれさせてるんじゃないか」とか、みんな神様のせいにすればいいんじゃないかな。

木村― これからどうなさりたいですか、まだまだ先はあると思うんですけれども。

鳳―― 私、いまね、ゴルフが好きなんです。でも仕事が忙しくてなかなかゴルフできないから、これからはね、かわいがってくれて、お手伝いさんを置いてくれて、毎日ゴルフやらせてくれるような20歳ぐらい年上のいい人、いないかな。そういう人、こういう雑誌見てくれていないかな(笑)。

木村― そんな人、いませんよ!(笑)。ところで宝塚時代って、自分でなんにもしなくても周りが全部やってくれたんですか。

鳳―― やってくれましたよ。「お茶飲みたいなっ」と思ったら、パッとお茶が出てくる。自分でなんにも買ったこともなかった。お財布も一週間ぐらいあけたことなかった。まあやめてからお金が減る減る。もう羽根が生えてるみたい。

木村― よくできてるんですね、だから。

鳳―― よくできてるわねぇ。それと、みんなが気をつかって、私を常にたててくれた。いまは誰もたててくれない(笑)。でもね、それも自分のピークは宝塚時代だったと思えば、いまどんなことでも、ニコニコ笑ってられるの。私はもう普通のオバサンになってるんだからと自分に言い聞かせて明るくすり抜けてるわけ。

木村― 最後に、これから新しい領域にチャレンジするなんてことはないんですか。

鳳―― もう吉本しかないでしょ、チャレンジするのは(笑)。

木村― 残るはお笑いだけですね。

鳳―― そう、吉本に入れてもらおうかな。

〈後記〉「お待たせしました!」。対談場所に颯爽と現れた鳳さん。往年のヅカガールそのまんまの輝き。とても私より年上(といっても4ヵ月ほどですが)とは思えない。30年ほど前、「ゆく年くる年」という番組でお目にかかって以来だが、やはりスタアは違う。生れが神戸とあって、いつしか会話は関西弁に。容貌とのギャップが何ともチャーミングだった。狙いは吉本だとか。鳳さんの入った新喜劇、ぜひ見てみたい気がする。(木村)

撮影=瀬戸正人、構成=森國次郎

木村政雄編集長 Special Interview

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