また、危機がいわれるほど深刻ではなくて、じっと何もしないことが最良の行動だということもある。ボールが落ちるほど幅のない交叉点を越えて転がっていく姿をイメージすればいい。
これとは逆に、無理に何かを成し遂げようとして取った処置が、目論見とは逆の結果を生む場合もある。これをカウンター・プロダクティブという。かつて郵政省が赤字を出し、これを解消するために郵便料金の値上げをしたことがある。おかげでDMによる広告が高くなりすぎ敬遠され、収入が落ち込み、再び値上げして一層の利用低下を招いたような場合に使う。
2007年を迎え、いま巷では「熟年の危機」が叫ばれている。だが、よくよく考えてみれば、果してそれが本当の危機なのだろうか。年金が減少したり、生活コストが上がるのは確かに問題かもしれない。だがそれらのことは我々自身で対処可能な範囲の内にある。今まで準拠してきたものが一部機能不全に陥ったり、社会のあちこちで制度疲労や亀裂も生じてはいる。だからといって、それで国が破滅したり、分裂するようなことはない。
大事なことは「危機」という言葉などに踊らされないことだ。あまり焦燥感に駆られると、カウンター・プロダクティブに陥ってしまう。retired(退職した)がre-tired(再び疲れた)になっては元も子もないのだから。
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「危機」という言葉に踊らされないでいよう
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