特に日本人は、人類で欠くべからざる肝心な「住」について、まったくといっていいほど知識がない。小学校でも中学校でも高校でも教えないからだ。文科省の教育プログラムがトンチンカンなのだが、大問題なのは、基本的知識のなさが、人生最大の買い物という多大なリスクと直結しているということだ。家に失敗すれば、おそらくその人の家計は致命的だ。その辺は、構造計算偽装マンションをうっかり購入した人々の例を出すまでもない。
我々は30歳か40歳になって、突然家を建てるはめに陥り、慌てて近くの本屋に駆け込んで二、三冊本を読み漁った程度で、リハーサルなしのぶっつけ本番となる。
だから「日本には日本の気候、風土に合った家がある」などという、インチキ台詞にころっと騙され、脆弱な家につい手付金を支払ってしまうのである。「高温多湿」が日本独特の気候だと思っている人が多いが、それは関東と関西の一部であって、北海道の寒冷地帯、瀬戸内の温暖気候、北陸の豪雪地帯、沖縄の亜熱帯など、てんでんばらばらで、日本独特の風土などどこにもない。
それにこんな気候なら、アメリカに全部ある。しかも、あちらはもっとすごい。厳寒のアラスカから高温多湿の王者ニューオルリンズ、ハリーケーン銀座のフロリダ、竜巻のテキサス、なんでもそろっている。
しかし、そんな乱暴な気候でもアメリカ住宅の平均寿命は70年。日本の平均、30年を軽く凌駕する。日本車はすぐれているのに、住宅のこのザマはどうしたことか? なにがどうなったらこんなに違ってくるのか?
ずばり工法が違うのだ。
アメリカの家はすべて2x4(ツーバイフォー)工法だ。それしかない。それに対し、日本は伝統的な軸組み工法が圧倒的。
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