
花屋さんの前を通ると、女性なら、つい足をとめてしまうことも多い。そこには色とりどりの洋花が妍を競いながら、あるいは可愛くディスプレーされて、まるで微笑んでいるかのような様相で道行く人を誘っているのだが、ここ「司」は、野の花のさりげなさが、かえって目をひくお店である。
野の花「司」は、野の花(茶花)の専門店として銀座の松屋デパートの裏通りに店を構えて10年ほど経つ。この裏通りを通るたびになんとなく気になっていたお店なのだが、どうも通りを歩く女性たちも同じように気になるらしく、一人で覗いたり、グループで立ち寄ったりと、お店はいつも、ほどよく賑わっている。野の花専門店というだけあって、実際に店内に入ると、枝物と呼ばれる木の花や、山の花や実、小さな庭花から野の花まで、常時60種類以上の草木花が出迎えてくれる。そして、この空気感がなんとも心地よいのである。温かみというか和むというか……。
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