木村― 映画に関しても、今後ともやっていく予定ですか。
角川― やりますよ、ええ。
木村― 昔は、映画にご自分のことを投影されているとおっしゃってましたが。
角川― いまもそうですよ。いまはもうもろですよ。
木村― 作品を映画でやる時、やっぱりどこかで自分のメッセージを投影できるものですよね。
角川― もちろんです。だからおもしろいんですね。だから、その作品がわが子のような感じを持てますからね。そうでないとあんまり愛せませんよね、その作品を。
木村― いま製作中の『椿三十郎』は名作のリメイクですけど、こういう映画もこれからもおやりになるんですか。
角川― 黒澤さんのは生誕100年というのもあるんですけどね。要するに映画は古くなる、古くならない映画はなんだというと、時代劇にしてしまえばいい。それから、自分も大好きなハリウッドの映画のようにやろうと。なにかというと、幕の内弁当でいこう、いろんな要素を入れよう。そのなかでベースにしたのは、マカロニウェスタンだったんです。マカロニウェスタンのように、主人公のガンマンが来ると町では事件が起きて、そして解決して去っていく。そういうスタイルを考えたわけですね。
木村― 角川さんにはマーケティングの目がおありになる、そこがやっぱり事業家なんでしょうね。単に好きだからではないんですね。
角川― そうですね。それから「映画をイベントにしている」っていわれたんですよ、例えば『蒼き狼』の即位式で、ワンシーンに2万人集めると1億円かかる。しかしそのシーンに関する露出量がテレビだけで1時間9分なんですよ、番組でCMを除いて。広告費に換算したらすごい額です。それから『男たちの大和』でも、戦艦大和を実際に3分の2つくっちゃう。それもやっぱりプロモーションに使っちゃうんです。それをイベントにすることによって十分もとがとれるという戦略なんです。
木村― 普通の映画人だと、そういう発想はしませんよね。そのあたりが違うんでしょうね。
「ミニチュアなんて使えるか、おれは角川春樹だ」とおっしゃったとか。この言葉は角川さんの人生を象徴してるような気がする、逃げないんですね、おっしゃるとおり。スケールは違っても、「おれは○○だ」と思って生きないと、人生つまんないですね。
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