儲ける人間と、儲けない人間の差は、ほんの「ちょっとしたこと」だ。「買うor買わない」のどちらかで、真ん中はない。
「投資は、ちょっとしたこと」
これが、長年投資をしてきた加治の率直な思い、「買う・買わない」のちょっとしたことが、巨大な差を生むのだ。
というと、「いやそうじゃない。頭の良し悪しだ」と思っている人がいる。
そりゃ頭の悪い人より、良い人が分析力という点ですぐれているかもしれない。あるいは、毛並みの悪い人より、良い人の方が有利かもしれない。
しかし実際投資をすれば分かるが、そんなものは鼻くそだ。
ハーバード・ロースクールを卒業したが、投資はぜんぜんダメというのがほとんどだし、上場会社社長だって、その息子だって知人は多いが、一般人と同じ悲喜こもごも、とにかく学歴やコネなど無関係だ。
かと思うと「努力と根性だ」という人もいる。「商い」ならいざ知らず、これもあまり役に立たない。
投資経歴30年間の加治は、ハハーこういう人はカネを残すな、と匂いを嗅ぎ分けられるほどになっている。
で、やたらに根性を口にするタイプは、短距離走者だ。一時的にがっと稼ぐかもしれないが、人生は長い。10年、20年というスパンだと途中でへたり、こういう人は気がつくと敵に囲まれているからおよそ白旗組になる。
知人の旅館のA経営者、物販会社のB経営者、ビルのC経営者、広告会社のDオーナー……それぞれみな努力と根性ではだれにも負けない経営者。しかも業界ではそこそこ名の知れた企業だったが、みな倒産した。
なぜなのか?
すなわち「努力と根性」ではないのである。しかしどうしてこうも「努力と根性」がもてはやされるかというと、成功者の多くが口にしたいからだ。
理由は次の二つだ。
一、「運」が良かっただけなどというと、尊敬されないから。
二、従業員の尻を叩きたいから。
気迫だ! 根性だ! アドレナリンでの勝負はお陀仏になるのが早いのですぞ、ストレスで。
投資はそんなもんじゃない。
いつも言っているが、「運」と「コツ」だ。運は天の采配なので、天と直結しなきゃダメ。
そして「コツ」は、ちょいとしたものだが、こいつはプロに習うほかはない。
プロといっても、学者は使えない。古今東西、学者で金儲けたという人を、加治は知らない。
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