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フォトエッセイ(2)

(C)2006 「犬神家の一族」製作委員会 12月16日全国東宝系ロードショー

 「あっしには、関わりのねえこってござんす―」
 くわえ楊枝の渡世人・木枯し紋次郎がブラウン管の中で口にするこの決め台詞に、日本中が熱狂した時代―。
 中村敦夫演じる紋次郎を、お茶の間ではなく、撮影現場のカメラの傍らで、煙草の紫煙越しに見詰める男がいた。

 市川崑。

 72年にフジテレビで放映され、大ブームを巻き起こした連続時代劇・ご存知「木枯し紋次郎」を演出したのは、日本映画界を代表する巨匠・市川崑監督である。「ビルマの竪琴」、「炎上」、「黒い十人の女」、「破戒」、「雪之丞変化」、「太平洋ひとりぼっち」、そして、芸術か記録か? で日本中のマスコミと国民が論争した「東京オリンピック」等々、数々の名作・傑作・ヒット作を演出し、それらの作品群は日本のみならず、海外でも高く評価され、ヴェネチア映画祭やカンヌ映画祭など、数々の国際映画祭でも、度々の受賞に輝いている。
 市川監督と言えば、「映像の魔術師」と称される、華麗で独特な映像表現テクニックでも有名だが、その源泉は意外なところにあった。
 元々画家を志していた市川監督は、ディズニーのアニメ「シリー・シンフォニー」シリーズ(29年~)を見て映像に興味を抱き、後の東宝であるJ・Oスタジオに入社。アニメ部門を経て、実写映画の監督としてデビューする。
 つまり、市川監督独特の映像スタイルの根幹には、アニメという表現手段が、大きな要素としてあったのである。

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