アパートを借りる場合でも、年寄りはいまはなかなか借りられない。
以前還暦過ぎの独り者の友人が、何十年と住んでいたアパートを出た。どこか探そうと軽く思ったが、30歳以下の保証人がないとどこも断わられる。
前のアパートは、長い間住んで信頼関係もできていたのだ。でもいったんそういう場所が崩れてしまうと、年寄りは一気に路頭に迷う。
友人は苦闘したあげく、どうにもならず、とうとう郷里に帰らざるを得なかった。
その現実はショックだった。
社員になれず、あるいはならず、アルバイトで働く若者にも、そういう現実が迫ってきている。
会社はたしかに退職金もボーナスも払わずにすむから、アルバイトや契約社員を多用するが、その結果はどうも日本の場合、若者には希望がなくなる。
若者もまた甘いのだけど、でも気がつけば厳しい世の中に立っているのだ。
でもそのせいか、人材派遣会社というのはうるおっているらしい。
そこのところがどうも気に食わない。
仕事を斡旋するだけで、収益を上げる。
昔はピンハネといった。
自分は働かずにその上前をはねる、というイメージがあって、でもそれはイメージ通りのことだった。
昔は職業安定所、職安、いまでいうハローワークというのがあって、その国家事業がちゃんとしていればいいだけの話だが、恐らくちゃんとしていないのだ。
熱意がないのは、お役所の欠点である。
だから民営化ということになり、そこで熱意は生れるが、そこだけがうるおって、フリーターといわれる若者の未来が閉塞するのは、いかがなものか。
斡旋業というのは、昔はどこか怪しげなイメージがあった。
いまはそれが名前を変えて、大手を振ってうるおっている。
高利貸しといえばさらに怪しげなイメージがあったが、いまはそれが名前を変えて、大手を振ってうるおっている。
テレビCMにあんなに大手を振って、のべつまくなしに高利貸しが出るというのが、そもそもおかしい。
美しい国までには、程遠い距離がある。
膨張するピンハネ世界
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