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洋菓子舗ウエスト

銀座の品格を守る老舗ティールーム

写真上:1950年頃の店内。グランドピアノと思いきや、この中にレコードプレイヤーを入れてかけていた。レコードの交換は音大生などの専任の係りがいた。(写真提供=ウエスト) 写真下:店内は、落ち着く色合いでレトロな雰囲気。飲物のお代わりは自由なので、ゆったり寛ぐ方も多いという。 ウエストの入口は、さりげなくてちょっと見には分かりにくい。電通通りに面した商品販売コーナーの左手に小さな階段があり、レトロな扉を押し開けると、入口からは想像もできない奥行きのある店内。時代に流されない落ち着いた空間が広がる。ココア色の背もたれの高い椅子に真っ白なカバー、ピシッとしたテーブルクロスは、昭和30年代の山の手の良家の応接間のようだ。銀座にやってくる紳士淑女を迎える居ずまいを感じさせてくれて、心地よい。この居心地の良さこそ、銀座の品格なのだろう。
 店内の音楽はすべてクラシック。入口左のLPレコードのコレクションも歴史を感じさせる。クラシック音楽全盛の頃には、レコード会社とタイアップして新譜をいち早く聞かせたり、ディスクジョッキーによる曲目の紹介の後、照明を落としてのコンサートタイムを設けたりと工夫を凝らしてきたという。60年間投稿寄稿された詩文を纏めた『風の詩』(新風舎刊 税込1155円)この曲目紹介は小さなパンフレットとして毎回用意されていたが、この中に一般から募集した詩や随筆を掲載してきた。この「名曲の夕べ」は「風の詩」と表題を変えて今日まで続き、60周年を迎えて一冊に纏められた。当初は詩が多く寄せられたが、昨今ではやはり随筆が多く寄せられるという。初代選者には、作家・林芙美子を擁するなど一流の選者によって選ばれた寄稿詩文は、なかなかに滋味深い。こうした、喫茶店の枠から踏み出すしなやかな試みを続ける強さは、やはり、これが銀座の力と思わずにはいられない。


洋菓子舗ウエスト 銀座本店
東京都中央区銀座7-3-6
電話◎03-3571-1554
営業時間◎平日:9~23時/土・日・祝:12~21時

撮影=牧田健太郎、取材・文=伊部理子

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