そんなわけで、民主党が魅力のないままの選挙だから、緊張感がなかった。どうせわかっている、という印象での選挙なので、刺客やその他候補者のキャラクターの方に興味がいった。そういう気楽さもあって、投票率が上がったのかもしれない。
昔は保革対立という構図があった。だから野党の価値もあったわけだが、いまはもうそんな構図がないから、野党の価値がなくなっている。だから政権交替と叫んでも、何のために交替するのか、理由がわからない。あるとすれば違いのための違いみたいなもので、それはただ頭が面倒になるだけだ。
だから選挙後に選出された民主党の新党首が、自民党に挨拶に行ったら、小泉首相に「無理して違いを言わなくても」みたいなことを諭されたというのは、よくわかることである。といって違いを言わないと野党の意味がないから、困った立場だ。そういう役柄にはまり込んでしまった悲哀。
人生にはいろんな生き方があるが、いったんそういうところにはまり込むと、簡単に別の生き方はできないものである。別のコースに行くのは自分が屈服したみたいに思えてしまって、タバコをなかなかやめられない人は世の中に多い。ぼくも昔はタバコを吸っていたが、タバコにはまり込んだ自分が嫌になって、もうやめてから30年以上もたっている。
それはともかく、みんな野党というタバコをやめて、自民党の公募してみたらどうなんだろう。
いま軽率度で注目を浴びている26歳の自民党新議員は、比例代表の候補者に応募したのだそうだ。選挙前に小泉氏が何かそういう刺客的足軽要員を公募するという話を聞いたようにも思うが、あまりはっきりとは知らなかった。ところがその26歳の新議員は試しにレポートを書いて応募したんだという。まさか当選するとは思っていなかったようで、棚ぼた議員と言われている。議員給料が2000万円以上もらえて嬉しいとか、いろいろと「失言」が正直で、その点はじつに新鮮だ。
もちろん軽率に過ぎるというご意見はあるが、でもやはり一瞬目を見はる。これが本当に議員だということが、何かしら痛快でもある。ぼくは現代のワカモノと書くとき、わざと現代のバカモノと誤植ふうに書いたりしていて、この議員にもその誤植はあてはまりそうだが、でもそれが現実に国会議員だという事実の痛快がまず凄い。
何しろ自由と平等の現代だから、プロレスのマスクやチョンマゲ姿で登院の議員もいたりするけど、そういう自己表現もどきの目立ちたがりとは違って、この26歳はただ正直というだけで、そこが目を見はるのである。
左翼のぬるま湯
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