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藤井純一

就任一年目で日本一になった
(株)北海道日本ハムファイターズ社長

野球のほうが気がラクです

 「サッカーはJ1から降格する不安が常にありましたから、6位までしかない野球のほうが精神的にラクでしたね(笑)」
 赤字経営に陥ってる理由も、セレッソ大阪と同じだった。親方日の丸体質で職員のモラールは上がらず、地域密着もまだまだ徹底されていない――サッカーの経験は、そのまま生きた。道民優待の「なまら! チケット」、午後7時半以降は一律子供料金の「730チケット」などを発売、選手たちの学校訪問、練習施設の一般公開……さまざまな施策が奏功、05年の主催試合観客数は136万人を超え、赤字額も04年17億円から05年11億円に減少。それは職員たちのモラールアップにつながった。06年3月、代表取締役就任。縦割り組織を改革するためにグループ制を導入、目標観客数、実観客数、進行累計などのデータを一試合ずつ書き込む表を貼りだし、従来の絵に描いた餅のように黒字にしていた予算も、現実に即して赤字のままで計上した。
 「移転して成功だったと言われますが、北海道に移転しただけでよくなるわけはないと思っていました。ただ、地域密着という意味で、北海道はよかった。北海道の人は、北海道がすごく好きなんです。だから、集客のアイデアも考えやすい」
 球団マスコットB・Bが道内を巡る映像を札幌ドームで流すなど、地域密着もより強く打ち出し、06年開幕戦、札幌ドームを満員にする「4万3000人プロジェクト」も成功。当初、145万人が主催試合の目標観客数だったのだが、最終的に160万人を達成。熱い声援は日本一への後押しになったのだ。
 「今後は、お客さんと会社、チームがツーウェイコミュニケーションができるようにしたいんです。ファン心理というものは、何となく気になるところから始まり、その次に興味を持って、それから何となく好きなる。そして、ファイターズの一員になりたいと願う熱烈なファンになると思うんですが、みなさんがそう思ってもらえるような存在にしていきたいんです」
 「普通の会社として、経営していきたいだけです」と藤井氏は笑うが、セレッソ大阪時代、視察した欧米のクラブチームのようなチームをつくるのが夢だという。
 「北海道ならではのスポーツも、ファイターズの地域密着などの活動を通じ、支援していきたいですね。ジャンプやアイスホッケーなどは低迷していますけれど、ファイターズだけでなく、地元のスポーツを地域の人たちが熱心に応援する土壌を、つくっていけたらと思っています」
 今季も、北海道日本ハムファイターズの健闘に期待したい――そして、これまで日本になかったスポーツビジネスを北の大地で展開しようとしている、藤井氏の今後の挑戦にも注目していきたい。

取材・文・撮影=羽柴重文(編集企画室Over-All)

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