インタビューのタイトルの「婦唱夫随」、この言葉を目にしてニヤリとした人が多いと思う。ミスプリ? と思った人もいるかもしれない。確かに、辞書には「夫唱婦随」としか記されていない。「夫が言い出し、妻がそれに従うこと。夫婦仲が良いこと」とある。
中国・後漢の梁鴻(りようこう)は謹厳な人物で、結婚して1年以上も妻と口を利かなかった。思い余った妻がその訳を尋ねると、「美しく着飾って顔に紅までさしている女は自分の妻ではない」と言う。妻は「私は礼儀に厳格なあなたのことを気づかってこのような恰好をしてきましたが、意にそぐわないのであれば、質素な身なりも用意してあります」と答え、質素な服に着替え、荊(いばら)の冠を被(かぶ)った。梁鴻は「それでこそ我が妻である」と言い、以後仲睦まじく暮らしたという故事に由来する言葉である。
私などからすれば、単なるワガママおやじのたわごとにしか思えないのだが、実態に即さないこの言葉が随分長く使われてきたことにむしろ驚く。封建時代に時の権力者が、秩序を維持するために導入した儒教の、「家にあっては父兄に従い、嫁しては夫に従い、夫の死後は子に従う」という「三従の道」を連想させるからだ。
我家など、「娘は父兄に従わず、妻は夫に従わず」である。まして120歳まで生きる(予定の)私の死後、「子に従う」とも思えない。日本は民主主義国家に生まれ変わったのである。憲法二四条には「夫婦は平等」と定められている。もう戦前の家制度の名残は頭の中から払拭(ふっしょく)してもいいのかもしれない。
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夫婦円満の秘訣は?
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