記事では、ホームレスの減少は景気の好転と関連している、というようなことが書かれていた。何かで調べたのだろう。景気というのはわからないもので、数字だけでは解釈できない。タクシー運転手の話のニュアンスとか、デパート店員の態度とか、ひょっとしたことに景気の表情はあらわれる。
そういえば、プロ野球が開幕した。パが一週間早く、つづいてセが始まり、さらに一週間、色合いが少し見えてくる。巨人はまあまあで、中日はやはり強い。ぼくはアンチ巨人ではない古典的な巨人ファンなので、それを追ってテレビを見るのだが、テレビが投球の合間などに球場の全景を映すと、内外野ともぎっしり埋まって、何かしら久し振りに豊かな光景だ。ここ何年か、サッカー人気に押されて、というか大リーグ人気に押されて、というか若者の野球離れとかいう論調に押されて、スタジアムの空席の目立つ光景をよく見せられていたので、何だか寂しかった。それが開幕間もないからとはいえ、重箱にぎっしり赤飯が詰まっているみたいで、豊かな、安定した気持になってくる。そうだよ、これがふつうなんだよ、という気持になってくる。
プロ野球人気が落ちていたというより、巨人人気が落ちていた、ということが本当のところなのだろう。何しろ強い巨人というのがだんだん消えて、よく負けるし、長いこと優勝はできないし、そうなると人気は落ちる。
でもその間パの方が人気を獲得し、というか地方を地盤とするチームが地元の人気を集めて、地方が盛り上がり、その点でプロ野球人気の性質が少し変ってきているということがあった。そうなると、巨人はただ漫然と昔からの人気の上にアグラをかいていたことが露呈してしまうわけで、巨人はそういう世の中の変調を甘く見ていた。もっと臨機応変に対応していればそんなにつまずくこともなかったと思うが、やはり上に安住するとダメなんですね。
進化はいつも弱者がもたらす。
もしくはそのことを敏感に察知した強者が先手を打つもので、それがなければずるずると落下していく。
球場をぎっしり埋める人々
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