「チャレンジド」という言葉がある。障害者支援の福祉法人「プロップ・ステーション」理事長・竹中ナミさんが提唱している。ややもすれば社会の障害になるかのように、マイナス・イメージを与えられていた「障害者」という言葉に抵抗を感じていた彼女が、アメリカに在住する人から教えてもらったのが「チャレンジド」という言葉のようである。
「神から挑戦すべきことを与えられた人々」という意味だ。「日本語に『チャレンジド』に当たるようなプラス・イメージの言葉がないのは、障害を持つ人のできない面ばかりを見て、できる面を見ていく文化がないということでしょう。ないのなら、言葉と一緒に輸入して、積極的に吸収したい。そんなわけで、プロップでは障害を持つ人を『障害者』と呼ばずに、『チャレンジド』と呼ぶことにしたんです」と、彼女は自著で述べている。なんと素敵な言葉なのだろう。
我が国では戦後、キャッチ・アップの過程で、ひたすら効率や平準化が優先されてきた。効率的でないものや平準化されないものは、「不適」のレッテルを貼られ排除されてきた。同型の部品だけが整然と並べられ、古くなったものや、錆びついたものは新品と取り替えられてきた。人もまた然りである。「全社的」や「一丸となって」という枕詞のもとに、自らの個性を制限させられ、ひたすら組織や一律の価値観に忠誠を誓ってきた。
なるほど、それは楽な世界であったのかもしれない。教えられたとおり、教科書どおりの答えを書けば、「大変よくできました」のハンコがもらえたのだから。だが果して、そんな時代が幸せだったといえるのだろうか。たまには、「私はこう思う」と違う答えを書いてみたくもなるのではないか。たとえその結果が「×」であったとしても。
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「チャレンジド」の薦め
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