まあそんなこともあって、メジャーの影がひところよりは薄くなったと感じるのは、ぼくだけだろうか。
このところの巨人は、メジャーからの外人選手選びが本当に下手で、手抜き以上の投げやりさが感じられて、それが人気低迷の要因でもあった。ダメな外人も金をかけた以上使わなければ、というだけのことから、二軍から上がった金の卵の出番はピタリと封じられ、どんどん鉛になっていく。それでいてフロントの当事者が責任をとって辞めたという話のぜんぜんないところは、役人世界とまったく同じだ。みんな愛想をつかして、関心はメジャーにいったわけである。
今年はというと、巨人の外人選手で見えるのはホリンズで、ここというところではガツンとやっている。でも打率を見るとまあまあのところで、打順は七番だ。
ラジオ解説で誰だったか、日本のプロ野球も変りましたねえ、としみじみ言っていた。前は外人様々だったのが、いまは七番で、まあそこそこ、といわれている。つまりメジャーの影が少々薄くなった、ということではないか。
でも最近プロ野球中継が少なくなっているようで、どうも気にくわない。野球以外のチャンネルを見ると、見飽きたタレントのおしゃべりばかりで、みんなあれが面白くて見ているのだろうか。うんざりする。
ごめんなさい。言ってもしょうがないことを、つい言ってしまった。
とにかくメジャーも日本のプロ野球も、かなり平行線に近づいてきている。去年のワールド・ベースボール・クラシックで、アメリカ代表がいち早く敗退してしまったということも、あれは実力ではないとはいうものの、影響としては大きいのだろう。メジャーは強いけど、よく見れば世界から強い選手が集ってきているだけのことだという、アメリカ的要素がだんだん見えてきた。
アメリカの影
赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい)1937年、横浜生まれ。『父が消えた』で芥川賞受賞。『ふしぎなお金』『目玉の学校』など、著者ならではの、まともに考えれば考えるほど不可思議な人間社会の謎を探究する目からウロコの名著多数。
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