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美しい国の哀しい話

 この男性も肝臓を害し、昨年12月福祉事務所に生活保護を申請、受給していたのだが、今年4月に受給廃止になっていた。当該の北九州市によると、福祉事務所の勧めによって、男性が「働きます」と辞退届を出したから廃止したというが、残された男性の日記には福祉事務所の対応に対する恨み辛みが綴られていた。
 この男性に限らず、近年、生活保護の申請や打ち切りに伴うトラブルが増えている。背景には、急増する生活保護費のスリム化を図るべく、政府が保護行政の厳格化を進めたことにある。現に04年度には、保護廃止世帯は増え、開始世帯も減ってはいる。だが、こうした努力にもかかわらず、保護世帯の総数は増え続け、05年度では、その数100万世帯を突破した。50世帯に1世帯が生活保護を受けていることになる。
 唯一、減少しているのが高齢者世帯。従来は「男65歳以上、女60歳以上」と定義していたものを、「(男女とも)65歳以上」と、資格基準を厳格化したからである。
 もちろん、不正受給や、受給が既得権化することは厳に戒めなくてはならない。だが、削減そのものが目的化し、本当に保護が必要な弱者までを切り捨てるようなことは立法の精神に反すると言わざるを得ない。
 「おにぎり食べたい」、この短い、悲痛なメッセージに託された男性の心情が、社会に対する絶望や、生きる望みの喪失にあるとすれば、余りにも哀しい。心までメタボリックシンドロームに陥ってしまった我々に対する、何とも痛烈な皮肉であるような気がする。

5l世代へ 木村政雄の発言!

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