ようこそ ゲストさん [ログイン]


トップページ > バックナンバー > ユン博士の金融流体力学 > 

  • 印刷
  • 大
  • 中
  • 小

その3 金融、医療、農業の関係

尹 煕元(ユン ヒウォン)

金融の因縁果報

 まず、金融です。株式市場(債券でも商品でも良いのです)の動きを考えてみましょう。株価が上がったとすると、その原因はなんでしょう? 前回をお読みいただいた方は、「誰かが高い値段で買ったから」と答えるでしょう。買いが多いからではないですよ(前回を参照して下さい)。直接的な原因(因)は、誰かが高値で買ったからですが、その行動には周りの経済環境(縁)が影響を与えています。つまり、市場の動きは、市場の中だけの動きではなく、その周りの環境が影響をしているのです。そんなことは当然のことですね。でも、その当然のことを気にせずに金融の仕組みや枠組みを論じる人が、けっこう多いのです。金融のみならず、経済はその参加者(主体と言います)と環境が絡み合って動いています。だから、主体だけを調べても金融や経済のことはわかりません。主体(因)とその環境(縁)で考えることが重要です。そして、市場(経済活動)での結果(例えば株価が上がったこと)は、市場のみならず、その周りの経済にも影響を及ぼします。つまり果のみならず、報が必ず伴うのです。果はわかりやすいのですが、報はその場ですぐにはわかりません。ある程度、時間が経たないとわからないことこそが報だからです。金融的な行動(経済活動等)の結果は、将来のことを鑑みた報でみないと、正しい評価にならない訳です。

医療の因縁果報

 次に医療です。人間の体はいろいろな仕組みが複雑に絡み合っています。そして、絶えずバランスを取りながら機能しています。病気になると、そのバランスが崩れるのですが、基本的に人間には自分の体を自分で直す仕組み、つまりバランスを調整する能力が備わっています。病気は、病原菌やウイルスなどの直接的な原因(因)が引き起こすと考えがちです。でも、実際は無理をして体のバランス調整がうまく機能していない状況、すなわち体の環境(縁)が大きく関わっています。そして、体が回復すると、病気が直るという直接的な結果(果)のみならず、免疫ができて同じ病気にかかりづらくなるという効果(報)をもたらすことがあります(この免疫の仕組みを解明することに大きな貢献をした人が利根川進博士で、彼はその功績で1987年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました)。医療は、その原因だけに対する処方ではなく、その環境を鑑み、さらに、その後の影響がどのようになるか(副作用等)を熟考することがとっても大事です。

ユン博士の金融流体力学

一覧(7件)

[ファイブエル]バックナンバー