ただ、この広い視野も、車の運転時には狭くなり、時速60キロで30度、100キロで10度に低下するそうだ。集中力が視野を狭くする。確かに、ある程度目標を定めて、効率的に集中力を発揮する方がよい結果が出るケースは多い。脇見運転は事故につながるし、授業中脇見をしていてはいい点も取れない。企業では売上げ目標にそって管理された経済活動が行われ、メンバーにはひたすらシステムに帰属することが求められる。忠誠心がなくてシステムにそわない人間は企業にとってマイナスの存在でしかない。そこで用意されるのが、「べき」「ねば」「らしく」という遮眼帯なのである。
自らの人生を振り返ってみても、確かに40代までは脇目もふらず働いた。だが40代も後半になると、それまでにやった仕事を相対化して、新たな工夫が求められるようになる。50代、まして定年後の人生においては更なる相対化が求められることになる。
しゃにむに生きることを止めて、脇見する人生も悪くない。思い切って遮眼帯を外して、視野を本来の200度に回復すれば、また今までとは異なった物が見えるかもしれない。
とはいえ、今から他の女性に目を移すのは止めた方がいい。何せ、男には50代になると「一目惚れ率」が58%に高まるというデータもある。子供が独立する頃から「もう一花咲かせよう」とタガが外れやすくなるのだという。若干分かる気もするのだが、諸々のリスクを考えると、この部分にだけは、やはり遮眼帯をつけていた方がいいのかもしれない。
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「遮眼帯」を外してみよう
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