2007年を迎えて、いよいよ団塊世代がリタイアの時を迎えた。ビジネスの世界では彼らの退職金を目当てに、「団塊マーケット」なるものが喧伝されている。曰く、「彼らが手にする退職金の総額は50兆円にも上り、新たな富裕層が誕生することになる。しかも団塊の世代の人たちは、これまでの高齢者に比べて圧倒的に活動的で、『アクティブ・シニア』と呼ばれることもあるほど。知的好奇心も旺盛で、消費者としても『自分の関心が高いことには出費もいとわない層』と位置づけられることもある」と。
あたかも彼らが一定の性向を有して、群れとして行動する魚かのように語られてはいるが、果してそうなのだろうか?
広義の団塊の世代の一員として言わせてもらえば、断じて「NO!」である。「団塊マーケット」なるものはフィクションである。第一、この人たちは生まれた時から、「我々団塊は」などと思って生きたわけではない。あったのは、ただ集団としての大きさだけであって、個々の人々はそれぞれに生きてきたということである。それを終盤に来て、いきなり「団塊」と一括りにされ、「団塊の世代なるものは」と決めつけられても迷惑な話でしかない。
そろそろ収奪の対象として「団塊」を語るのはやめにした方がいい気がする。レッテルを貼り、対象をモノ化してマーケティングする方法は、戦略として既に陳腐化している。いわば旧来型の発想である。現象を古いメガネで見ているということである。「団塊の世代」というレッテルをレーダーで捉え、リアルな魚群だと勘違いしても、網に魚はかからない。「ただ財布を狙うだけのビジネスは、賢い大人たちには見抜かれる」。これが、2年間にわたって「ファイブエル」を出版してきた我々の実感である。
むしろ、これからは「単なる提供者として傍観するのではなく、当事者としての意識をもって、一緒に取り組む」ことこそが一番のキイになる気がしている。
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