ラジオショッピングで当初に扱った商品は、ソニーのビデオカメラ。当時、「カメラのたかた」はカメラ店とソニーショップを併営するユニークな業態だった。
「どうしてもソニーのハンディカムを置きたかったので、ソニーの特約店として実績をあげていって、ソニーショップにさせていただいたんです。その後、ソニーさんがワープロを発売したら、ワープロも売りましたよ。また、レーザーカラオケも販売したかったので、パイオニアさんにお願いして、店に置かせてもらいました。当時から、時代の流れに沿った商品なら何でも扱いたかった。それが自然な姿だと、ボクは思っているんです」
平戸のカメラ店時代から、夜に観光ホテルで記念写真を撮影、夜っぴいて現像、プリント、朝にはまたホテルに赴いて、写真を販売する仕事を続けていた。そして、店舗だけでなく、訪問販売もこなしていたという。この頃、お客さんと直接、対面していたことが、髙田社長の大きな財産になっていったのだろう。
「買っていただける写真はどういうものなのかは、とことん考えました。撮るだけなら誰でもできますが、売れる写真を撮るのにはスキルが必要なんです。全員、視線がきている写真でないと、朝、買ってくれないんですよね。ですから、必ず、集まってもらって、こっちを向いてもらって、撮影する。お客さんとコミュニケーションしながら撮らないと、うまくいかないんですよ。そういう仕事を40歳くらいまでやっていましたから、いろいろな方々と接することができましたよね。訪問販売でも、お客さんの家に上がり込んで、お子さんをビデオで撮って、テレビで写したりしたんですよ。いまでは当たり前のことですが、当時、おじいちゃん、おばあちゃんは孫がテレビに映っているって、本当に喜んでくれました」
髙田社長は現在、メディアを通してセールストークを炸裂させているのだが、お客さんの顔が確実に見えているのではないだろうか? だからこそ、我々のニーズを的確に把握し、購買意欲をそそるような商品を見出せるのだろう、とも。
「モノには、それぞれの魅力があるんですよ。そして、モノづくりには、メッセージが込められています。そういう魅力、メッセージをきちんと伝えていくことが、販売する私たちの使命だと思う。ですから、ジャパネットたかたはモノを売って、売上げを上げ、利益を出していくだけでなく、理想ですけれど、みなさんに元気や勇気、愛というようなメッセージを伝えていく企業にしていきたいんです」
きれいごとだけの発言にも聞こえるが、そういう髙田社長の姿勢は販売商品に如実に現れている。例えば、サンヨーの充電式乾電池「エネループ」。電池は単価が低いために、周囲は扱うことをためらったが、社長は押し切ったという。
「「エネループ」には感動したんですよ。1000回も充電可能、放電もしにくい。本当に地球環境にやさしいんです。また、この商品をベースにして、新しい商品が生まれる可能性が高いし、エコロジーへの考え方や生活の提案など、新しい世界も広がっていく。夢があるところに、強い感動を覚えたんですよ。私たち販売店は、こういう商品を消費者に紹介、販売していくべきだと思うんですよね」
自ら出演したテレビショッピングでは、エコロジー性を縷々説明し、最後に「買ってくださいというよりも、お使いになってください。本当に私の感動商品のご紹介でございます」と熱く語った。この商品に限らず、そして髙田社長に限らず、この会社は自分たちがいいと思うモノを紹介しているのだ。本気、なのである。
高田明
ジャパネットたかた社長
街のカメラ屋から年商1000億円企業へ成長させた辣腕
モノを売ることで世界が広がる
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