ようこそ ゲストさん [ログイン]


トップページ > バックナンバー > ユン博士の金融流体力学 > 

  • 印刷
  • 大
  • 中
  • 小

その5 お金と流体力学

尹 煕元(ユン ヒウォン)

 みなさんは、お札に「日本銀行券」と書かれていることをご存知ですか?
 でも、硬貨には「日本国」と刻印してあります。これは、硬貨は日本政府財務省が造幣し、紙幣は日本銀行が発行しているからです(硬貨も紙幣も日本のお金なのに、発行機関は違うのです)。なぜでしょう?
 この答えが、じつは、お金の本質に関わることなのです。今回は、あまり意識されていないお金の本質についての話です。

補助通貨

 日本で発行されているお金は、一円、五円、十円、五十円、百円、五百円、千円、二千円、五千円、一万円の、六硬貨四紙幣です(五百円札など使える紙幣もありますが、現在は発行されていません)。発行されている10種類のお金のうち、六硬貨を補助通貨(正式名称)と呼びます。この呼ばれ方から日本のお金の主役は紙幣ということがわかります。実際に、世の中に出回っているお金の94%以上を紙幣が占めている(一万円札だけで85%以上です)ことからも、紙幣がお金の主役であることに異論はないでしょう。

紙幣を作ると儲かる?

 でも、紙幣って、紙切れにちょっときれいな図柄を印刷しただけのものです。これを時の統治者(政府)が、「この紙切れには価値がある」と信じ込ませているに過ぎません。このように考えると、ちょっとずるい気がしませんか?
 だって、紙切れを無理やり高い価格で取引?させているわけですから、圧倒的に安い製造コスト(一万円札の製造コストは23円くらいです)と流通価格の差を統治者は搾取できるわけです。このように「紙切れの高値押し付け売りはずるい」と考えていた人が多かった時代には、みんなが納得するものを統治者が持っていて、「ちゃんと価値のあるものといつでも交換してやるから、紙切れを信じろ」と言っていました。紙幣を作った量の分だけ価値あるものを持っているなら、搾取にはなりません。いつだって、価値あるものを引き出せるわけですから。
 この価値あるものとして多くの統治者(国)は金を用いました。それは、金が腐食しないため、価値の基準として使いやすかったからなのです。この「価値の基準(本位)を金とする」考え方は「金本位制」と呼ばれ、20世紀の後半、ついこの間まで金本位制による紙幣の発行は続いていたのです。


この記事の続きを読むにはログインする必要があります。
未登録の方は今すぐ会員登録をしてください(無料)

会員の方

ご登録のメールアドレスとパスワードでログインしてください。

ログインページへ

未登録の方

以下のリンクより会員登録をおこなってください。

会員新規登録ページへ


ユン博士の金融流体力学

一覧(7件)

[ファイブエル]バックナンバー