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はつらつと

 「はつらつと」というのは、魚が勢いよく飛び跳ねる様子を表わす言葉だ。石川さゆりが「風の盆恋歌」で男に抱かれた女を「はねてはじけて鮎になる」と歌っているが、あれである。
 といったことはともかく、見るからに元気はつらつとした人はどうも苦手だ。ヒダの問題かな? 人間、病気をすると人生への感慨を深くする。すると心にヒダができる。病がヒダをつくるわけである。
 兼好法師が『徒然草』で「友とするにわろき者、七つあり」といって、その一つに「病なく身強き人」を挙げている。そういう人にはヒダがないと見抜いてのことだろう。
 女の子にフラれた男の子が何を思ったか、「さみしくなるけど、君に元気をもらった気がする」と言ったので、女の子はゲェーと思ったそうだ。こういう男の子にヒダはできまい。
 病、あるいはそれに準じる体験をして、以後はつらつとしている。好きです。そういう人は。

(毎日新聞専門編集委員)

近藤勝重のマンスリー・コラム

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