「自分の中に、強い自分と弱い自分がいる。弱い自分が「ああもうダメだ、逃げたい」って言うと、強い自分が「何言ってるの! できないはずない!」って励ます。中学のときからずっとそうやってきました。私ももう五四歳だし、からだもガタガタだけど、それでも毎日走ってるし、ノックだってやれちゃう。その力がどこから出てくるかというと「負けたくない」という思いですよ。まずは自分に勝たないと、相手にも勝てないんだってことを、ソフトボールを通じて学んできた。『敵は我に在り』という野村克也監督の本がありますが、それは本当なんです。自分に勝つこと。そのためには自分を信じること」
宇津木さんの著書のタイトルは『努力は裏切らない』。まさに努力は裏切らないということを、身を持って証明してきた人生ではないだろうか。
シンクロナイズドスイミングの元日本代表ヘッドコーチ、井村雅代さんとは、ともにスポーツ界における女性パイオニア同士で親交がある。井村さんは現在、中国代表のヘッドコーチをつとめる。
「井村さんの気持ちは、すごくよくわかります。私にも海外からの誘いはあるし、まだまだ監督をしたいという気持ちもあります。だけど、今は日本のソフトボールのためにできることをやりたい。それが私の仕事だと思ってます」
オリンピックでは北京大会の後、二〇一二年のロンドン大会から、ソフトボールが正式種目から外されることになった。
「北京で頑張らないと復活へ向けての動きは難しい。ルネサス高崎からは投手の上野(由岐子)と数名が候補になっています。上野投手には最高のピッチングをしてもらいたい。二〇一六年のオリンピックに向けて、私ができることは何か。まず国内の普及をコツコツやっていきます。子供たちと一緒に「夢を捨てずに頑張ろうね」って。ヨーロッパへも普及に行かないといけない。ソフトボールは、メジャーなスポーツじゃない。ユニチカにいた頃、バレーボールの華やかさと比べたら、ソフトボールはほんとにマイナーで、ずいぶん寂しい思いもした。いつかはメジャーにするって決意しましたよ。それは夢じゃなくて、絶対に実現するための目標です。道のないところに道をつくろうと思ったら、山あり谷あり。私はそういうスポーツを選んだということ。悔しいから頑張れるんです」
宇津木妙子
ルネサス高崎女子ソフトボール部総監督
自分に挑戦する。悔しいから頑張れる
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