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アストンマーティンDBS

OLD&NEW

 かつてアストンマーティンのオーナーとしてその手腕を発揮したディビッド・ブラウン。そんな彼の名前の頭文字からなるDBシリーズはアストンマーティンの代名詞といえる。今回紹介した最新モデルのDBSもそうだし、4シーターのDB9ももちろんその流れを汲む。
  そしてボンドカーとしてその名を印象付けたDB5もDBシリーズの一員。1963年にリリースされたこのクルマは、いまもアストンマーティンを代表する。ボンドカーとして登場した作品は、「ゴールドフィンガー」と「サンダーボール作戦」。映画「キャノンボール」ではロジャー・ムーアが出演するので、DB5はその足としてスクリーンに登場した。
  DB5はDB4の改良型といったポジションとなる。細かいところを合わせれば170カ所のモディファイが行われたが、アイデンティティともいえるグリルのバリエーションは、DB4のスポーツバージョンDB4GTですでに使われていた。そのナマズのような顔立ちと流れるようなルーフライン、それとオールドスクールなメッキバンパーやフロントフェンダーサイドのダクトのようなアクセントがじつにかっこいい。アクセントはいまも採用され、DBSではLEDが埋め込まれウィンカーとして機能する。
  そんなDB5だけに、手に入れようとしてもフツーに輸入中古車ショップの店頭に並ぶことはない。専門ショップも少なく情報も流れないから少なからずこの手のクルマを得意とするショップに声をかけておくか、ネットで世界中のショップをサーフィンするしかない。そういえば、2年前実際に映画で使われたボンドカーのDB5がアメリカのミュージアムの依頼でオークションにかけられたことがあった。落札金額は知らないが、相当なモノだったはずだ……。
  では、最後にアストンマーティンの名の由来について少々。この会社は1900年代初頭、ロバート・バンフォードとライオネル・マーティンというふたりの男によってつくられた。そのうちのひとりライオネルの楽しみはヒルクライムレースへの参加。そのレースの名前が「アストン・クリントン・ヒルクライムレース」といい、そこで何度も優勝していたことから、アストンマーティン社になったといわれる。どうですこのウンチク、明日にでも使えません?よね。

アストンマーティンDB5

1963~65年につくられたDBシリーズ。4リッター直6エンジンを搭載したこのクルマは映画「ゴールドフィンガー」に登場したことで瞬く間に有名となった。DB5にはスタンダードモデルとは別にレース参戦を目的としたヴァンテージもラインナップされていた。

九島辰也(くしま・たつや)モータージャーナリスト
1964年、東京 自由が丘生まれ。外資系広告会社から一転、自動車雑誌の編集者を経て、2005-2006日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、雑誌「LEON」副編集長などを経験する。現在は自動車専門誌から一般誌、トークショー、メーカー講師など幅広く活動中。

九島辰也のそろそろ好きなクルマに乗りませんか?

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