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アストンマーティンDBS

 憧れのクルマ……、それは憧れの人が乗っているクルマかもしれない。例えば映画の中の主人公がさっそうと乗り込む姿を観て、あんなクルマに乗りたいとか。それをいちいち覚えてはいないけど、あるときフッと思い出したりする。そういえば子供の頃アストンマーティンに憧れていたんだぁ。
 イギリスM16に所属する秘密諜報部員ジェームズ・ボンド、コードネーム007はアストンマーティンを転がしている。古くはDB5、そして最新作の「カジノロワイアル」では、最新モデルのDBSが登場した。もちろん、その間ロータス・エスプリだのBMW Z3&7シリーズ、Z8などと浮気?もしたが、結局はアストンマーティンに戻ったカタチとなる。
 では、そんな定番ボンドカー、アストンマーティンとはどんなブランドなのか? 一般に名前こそ知られてはいるもののナゾは多い。
 ナゾが多い理由はその希少性に他ならない。なんといってもこれまでの生産台数の少なさはピカイチ。1970年から94年までの間の年間生産台数は平均200台、それ以前ともなると年間数十台ともいわれる。それを考えれば、これほどまで認知度が高いのはある意味ご立派。まさしくボンドカー様々である。
 それじゃ、なぜそれほどまで生産台数が少なかったのかといえば、その答えは一台一台手づくりで仕上げていたから。たとえば、1950年代から今年まで彼らはニューポートパグネルの歴史ある工場を使用してきたが、そこはまさに前掛けをした職人がハンマーを片手に作業していた場所。今年生産を終えたヴァンキッシュSはここで一台385時間をかけてつくられていた。ちなみに、2002年から並行してゲイドンの新工場で作られている兄弟車DB9は202時間だそうだ。それだけ見るとずいぶんと合理化されたようだが、ポルシェ911を一台つくるのに40時間、ミニは24時間と聞くと、まだまだかなとも思える。とはいえ、50時間をかけて9層に塗られるペイントの話を耳にすると、そのプレミアム度の高さは深くうなづける。
 さて、DBSである。このクルマは前述したヴァンキッシュSの後継モデル。映画「カジノロワイアル」はその事前お披露目であり、そのままのカタチで今年9月のフランクフルトモーターショーで発表された。今回は日本上陸を来年に控えたそのモデルをひと足早くフランスで試乗して来たので、少しばかりその印象をお届けしたい。


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