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第6回 月島界隈

【今回のルート】月島カフェ→月島西仲通り→月島観音→月島東仲通り→清澄通り→晴海通り→勝鬨橋→治作

 前回・佃島の続きで、月島にやってきた。オシャレな月島カフェで待ちあわせ。
  荒木さんの足は、まず路地へと向かう。近所の少女たちが集まっておしゃべりに夢中のところに出くわした。写真を撮ろうとすると、最初は知らないオジサンに警戒していたが、話すうちに人なつっこい笑顔になった。はにかみながらも、ポーズをとってくれる。
  古い木造の長屋がつらなる路地を、さまざまな鉢植えが彩っている。
「こういうたたずまい、好きだなぁ。月島界隈はついウロウロしちゃうね」
  月島のメインストリーム、西仲通り商店街を歩く。平日の昼下がりなので、歩く人も少なめだが、夕方になれば、もんじゃ目当ての観光客で賑やかになる。
  月島観音へお参りしようと思ったら、観音堂は雑居ビルの一角にあった。時代の波に応じて変幻自在、気さくで庶民的なところが、さすが下町の観音様だ。
  観音様に手を合わせるひとりの女性がいた。きけば、日比谷で岩盤浴の店を営んでいるとか。商売繁盛の祈願に、昔住んでいた月島へやってきたそうだ。荒木さんと意気投合し、散歩の友になっていただく。
  清澄通りへ出る。小さな子供をふたり自転車に乗せたお母さんに、カメラを向けるとニッコリ微笑んでくれた。
「地面はコンクリートになっても、気持ちはコンクリートになってないね」
  月島第一小学校の前には「創立一〇一周年」の垂れ幕が。さっきの少女たちが通う学校だ。そういえば「お父さんも同じ小学校だったんだよ」と言っていた。
  ときどき空を見上げては「きれいだね。もうすっかり秋の空だ」とつぶやく巨匠。お散歩していると、ふしぎと空を見上げることが多くなるのだ。
  勝鬨橋の上から、移転が決まっている築地市場をながめる。この景色もまもなく見納めだ。真っ赤な夕日が沈んでいく。
「ここで、わが妻を撮ったな」
  荒木さんがポツリと言った。その場所はじっと見つめただけで、撮影はせずに通りすぎた。
  どんどん変化する街と、いつまでも変わらないもの。
「歩いていると、いろんな『幸せ』と出会うね」
  勝鬨橋をわたって振り返ると、もう月が出ていた。最後は築地の料亭「治作」で、日本庭園を見ながら、名物「鳥の水たき」をいただく。こんな場所が残っているとは東京はまだまだ奥が深い。

「歩いていると、いろんな『幸せ』と出会うね」


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