ようこそ ゲストさん [ログイン]


トップページ > バックナンバー > 5l世代へ 木村政雄の発言! > 

  • 印刷
  • 大
  • 中
  • 小
  • 1

「今年のテーマはゲロッパ」

 久しぶりに沖縄へ行った。地元新聞社が主催する「団塊フェスティバル」。近ごろ、この手のタイトルをつけた催しがやたら多い。おかげで、自分もその恩恵に浴してはいるのだが、「団塊」という言葉にはいつも違和感をおぼえている。
 打ち合わせをかねて控室でその話をしていると、主催者から、「そうなんです。だから私たちはこの世代をゲロッパ世代と呼びたいんです」と聞かされた。そういえば、ポスターの片隅にも「ゲロッパ!」と書いてある。
 「ゲロッパ」とは、ゲロを吐くことではない。「Get up」、日本語で言えば、「起きろ」とか「奮い立て」ということである。あの井筒和幸監督がジェームス・ブラウンに捧げた映画「ゲロッパ!」でもおなじみのように、ジェームス・ブラウンのヒット曲「セックス・マシーン」の歌詞「Get up!」が「ゲロッパ」と聞こえることから、ファンクの帝王ジェームス・ブラウンをリスペクトする意味で使っている言葉である。
 一昨年末に逝ったジェームス・ブラウンは七〇歳を越えてもなお、現役バリバリでステージに立っていたという。実にファンキーなオヤジであった。周囲に迷惑をかけるような事件も起こしていたという。
 別に事件を起こすことはないのだが、この世代、もう少しファンキーに生きてみてもいいのかもしれない。身体の機能だって、そんなには衰えない。身体全体の「水分量」だって、男性の場合二〇歳時から八〇歳時で六%、女性の場合八%減少するだけのことである。六〇年間で六%や八%変わったからといって、生活に支障をきたすわけでもない。確かに「みずみずしく」はなくなるが、「干からびる」ほどのことはない。
 「筋肉の量」だって、三〇歳から七〇歳までの四〇年間で三〇%低下するだけのことである。これは男女とも同じ。三〇%と聞くと、いかにも衰えるようだが、実際の筋力で測るとそれほどのこともない。もちろん、全力疾走するようなMAXのパワーについては影響も出るが、日常生活で全筋力を使っているわけでもないので、これもOK。
 「心臓の予備力」、最大限に機能を発揮したとき、それが安静時の何倍くらいになるかを示すものだ。二五歳時は平均四・六倍、七〇歳になると三・三倍。確かに二五歳と同じスピードで全力疾走はできないが、同じスピードで歩くくらいの容量はある。
 「肺活量」は、三〇歳時に比べて、七〇歳では一七%減。別に潜水競争をやるわけでもない、普通の生活なら何の問題もない。確かに、年をとれば若い頃より若干身体の機能は低下する。だが決して実用に耐えないほどに低下してしまうわけではない。「もう年だから体がついていかない」などというのは、己の怠慢さに対するエクスキューズでしかないのかもしれない。
 身体は大丈夫。何なら鍛え直すということで衰えを遅らせることだってできる。問題はキモチ。確かに年を経るに従って「希望の残存量」、何%かは減る。「友人の数」だって減るかもしれない。だが、それにおののいて身を縮めていても仕方ない。「起きる」ことだ。「奮い立つ」ことだ。今こそ「Get up!」。そう「ゲロッパ!」。いいではないか、少しくらい顰蹙(ひんしゅく)を買うくらいで。そんなファンキーな大人が増えていくと、きっと楽しい国になる気がする。

5l世代へ 木村政雄の発言!

一覧(31件)

[ファイブエル]バックナンバー