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天野周一

全国亭主関白協会会長

オヤジたちが求めていたもの

 女には井戸端会議があって、なんだかんだと亭主のことを話し合う場がある。それに比べて男が集まれば大抵は仕事の愚痴。しかし五○代ともなると、仕事の先は見えてくる。そろそろ見栄や恰好を気にせずカミングアウトしてもいいではないか。裃や鎧を脱ぎ捨てて、オヤジが楽しく話せる場を、実は多くのオヤジたちが求めていたのである。全亭協では年に二回の全国大会があり、九月九日(苦しい苦しいオヤジの日)には東京は新橋駅前のオヤジの聖地であるSL広場で、そして三月一七日(寂しいな、オヤジの日)には発祥の地、福岡で、それぞれ「愛の三原則」を唱和し、「非勝三原則」を踊って、全世界に全亭協の高邁な理想を広めるために決起している。毎回五○○名ほどの勇士が集まるのだそうである。会員の半数が五○代、四○代。その分布は、福岡、東京、名古屋がベスト3で、実は最近、福岡県における離婚率が下がっているそうである。全亭協の力、おそるべし! 折に触れキャンペーンも行い、例えば「夫婦で手をつないで散歩に出よう」などを呼びかけ、その検証活動もしっかりやっている。
  「そういう実践をすることで、本当に夫婦仲が良くなっていくんです。私も講演などで人に『愛の三原則』とか話していると、真からそうなっちゃうんですね、それで私自身も人間らしくなったと思ってるんです。世の中、主婦目線、女目線が入ってきて、少し良くなった。これからは地位や肩書による男目線ではなく、亭主の目線ということが大事。妻の尻に敷かれる亭主力を身につけ、物事を亭主目線で見る。そうすると世間が変わる、社会が変わる、政策も変わるし日本も変わるんじゃないですか? だんだん本当にそう思うようになりました」。
  シャレで始まった素敵なオヤジの挑戦が、大きな活動の輪に広がっていきそうである。

取材=木村政雄
撮影・文=不二徹

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