ようこそ ゲストさん [ログイン]


トップページ > バックナンバー > 5l世代へ 木村政雄の発言! > 

  • 印刷
  • 大
  • 中
  • 小
  • 1

ある日、一斉に文字を大きくするなんて

 「タスポ」導入といい、「メタボ検診」開始といい、このところ国民のコンセンサスを得ないままにスタートする事例が多いように思う。「メタボ検診」に至っては、認知度三%という調査結果もあると聞く。開始を急ぐ背景には、何らかの隠された意図があるのではなどとつい勘ぐってしまう。
  そんな中、全国紙がほとんど同時に文字を大きくした。「毎日新聞」は昨年一二月、「産経新聞」は三月二〇日、「読売新聞」と「朝日新聞」は三月三一日から。各紙ともその理由を、高齢化した主読者層のニーズに応えるためとしているが、本当にそれだけなのだろうか。
  確かにそういう側面はあるのだろう。文字が大きくなって、目に優しくなれば、それに越したことはない。だが一方で、近頃は老眼鏡(いやな名前で、できれば使いたくない名称なのだが)の精度も上がっている。中高年といえども新聞を読むことに不自由を感じるとも思えない。
  現に、電車や喫茶店の中で、小さな文庫本を読みふけっている中高年の人を見かけることもある。今年八七歳になる私の母からも、「読みづらい」などという話を聞いた覚えはない。
  それよりもむしろ気になるのは、情報の量が減るのでは? ということだ。文字が大きくなって、ページが増えないということであれば、当然伝える情報の量は減ることになる。「これって、体のいい値上げじゃないの?」などと思ってしまう。
  もっとも、「朝日新聞」によると、「今回の改革では、文字を大きくするとともに、一行の文字数を一一字から一三字にします。現在の文字は横長の扁平文字で、縦の長さが横の七七%ですが、新しい文字は、幅を変えず縦を七%以上大きくし、正方形に近づけました。_若干の扁平率を残したのは、文字を拡大するとともに、情報量の面でもご満足いただきたいからです」というから、私の勘違いだったのか。
  なるほど、一九七六年のロッキード事件のとき、一行一五字だったのが、一四字、一二字になり、〇一年同時多発テロ時に一一字だったものを一三字にするのであるから、逆に行あたりの文字数は増えてはいる。
  だが待てよ。よくよく読むと、「一ページは一五段から一二段に」とも書いてある。これで「多くの面が、二つ折りしても読みやすくなる」と、さりげなく。「読売新聞」や「日経新聞」、さらに「産経新聞」やローカル紙でも一二段へ移行するというのだから、今後この流れが加速することは疑いない。「ほら、やっぱり減るんじゃないか」。
  もちろん、文字の量だけで、情報量を云々することが正しいとばかりは言えないのかもしれない。表現のさらなる工夫によってクリアできる面もあろうとは思うからだ。
  だが不思議に思うのは、こうした改革が各社一斉に行われることだ。自らインデペンデントを標榜する新聞社が、常々批判している「談合」などをしているわけではありませんよね、まさか。

5l世代へ 木村政雄の発言!

一覧(34件)

[ファイブエル]バックナンバー