「戦略的互恵関係」という言葉がある。何ともギクシャクしたこの言葉、小泉元首相の靖国神社参拝でギクシャクしていた日中関係を立て直すべく、昨年訪中した安倍前首相と胡錦濤国家主席の間で合意した「共通の戦略的利益に立脚した互恵関係の構築」から生まれたという。
「互恵」とは「WIN・WIN」である。平たく言えば「双方良し」。それを「戦略的に」追い求めようというところがミソである。つまり、細かいことはさておき、まずは互いのメリットを共有しようということであろうか。
もしかしたらこの言葉、多少の緊張関係にある夫婦の間でも使えるのではないだろうか? 互いの関係を改善するには、恫喝や懐柔だけでは一時的な効果しか望めない。やはりそこには戦略性が求められる。何しろ相手は交渉力に長けている。食糧自給率も高い。とても一筋縄でいく相手ではない。やはり互恵関係を築くには戦略性が必要なのだ。
そこで、自戒の意を込めて、「夫婦関係をギクシャクさせないための5K(互恵)戦略」なるものを考えてみた。
・「感謝を忘れない」。まずはこのことに尽きる。縁あって今日まで、さして取り柄もない我身を支えてくれたのだ。感謝こそすれ、疎【おろそ】かにしてはなるものか。「かたじけないビーム」を発していれば、決して破滅には至らない。
・「寛厚【かんこう】を心掛ける」。亀の甲ではない、寛厚である。心が広くて、人情に厚いことである。夫婦とはいえ、人には固有の性格というものがある。普段はさして気にならなくとも、些細な亀裂が入ると、性格の違いがフレームアップされて、取り返しがつかない事態に陥ったりする。それを未然に防ぐためには、やはり互いが気性【傍点】の予報士になることである。
・「過度に干渉しない」。互いが寄生しないで自立する。「どこへ行く?」「何時に帰る?」と束縛して、家庭内に軟禁すれば、ろくな結果を生まない。猿回しではないが、紐はなるたけ緩くして、自由に演技させ、ここぞという時に引けば良い。絶えず拘束していれば、衣類同様黄ばみが出ようというものだ。
・「言葉尻に注意する」。なかでも、「けど」や「くせに」は禁句である。相手の気持を萎えさせてしまう。捨てゼリフにも注意しよう。本人は小声で囁【ささや】いているつもりでも、存外、相手の耳には届いているものである。「囁」という字自体、口が一つで、耳は三つもあるのだから。
・「外連【けれん】も時としては必要」。真面目、正直ばかりでは辛くなる。「ちょいワル」や「枯れ専」など、流行に追われる必要はないが、外見【傍点】標準課税にかからない程度のパフォーマンスは必要だ。それなりに外見に気を配るのは、パートナーに対するマナーというものかもしれない。
と、ここまで書いて気がついた。もう一つ「食い縛【しば】る」がある。少々不満があっても我慢して、歯を食い縛る。我慢の量を多くする。もしかしたら、これこそが一番大切なのかもしれない。
夫婦における互恵関係とは
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