自慢話というのは聞きたくない。それなのに、女房自慢をきっちり噺にしている男がいる。
女子社員(誰でもいいのだが)と飲みに行った席で、ふと思い出したように「妻が」「妻が」と口にする。そのうち女子社員の一人が、
「あら愛妻家なんですねえ」
「そんなことはないよ」
と言いつつ、
「それがさ、笑っちゃうよね。あれで、ミス・キャンパスだっていうからさ」
「えー、すごい! 美人なんですねえ」
「それでもっと笑っちゃうのがさ、スチュワーデスのとき、ミスコン荒らしだっていうからさー」
あとはお茶、お花、お踊りの師範だの名取だのと続く。感心したもので口+新、つまり噺である通り、自慢のネタも新しいものを取り入れたりしているらしい。
女房自慢ったって、結局、自分自慢だろ? ほかの噺をしようよ。孫自慢とか、ペット自慢とか、さ。
噺をしようよ
(毎日新聞専門編集委員)
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