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延命の秘訣とは?

 私たちが日頃、混同して使っている言葉に「平均余命」と「平均寿命」がある。調べてみると、平均余命というのは、ある年齢に達した人が、あと何年生きられるかを算出したもので、その内の〇歳時の平均余命のことを特に平均寿命というのだそうである。しばしば国際比較されるのはこの平均寿命の方で、我が国が世界の中でも最長寿国に数えられているのは承知の通りである。
 両者の数値は多少異なっていて、二○○七年をとってみると、日本人の平均寿命(〇歳時の平均余命)は、男性が七八.五六歳、女性が八五.五二歳となっているが、六○歳時の平均余命は男性が二二.〇九歳(つまり八二.○九歳まで生きられる)、女性が二七.六六歳(八七.六六歳まで生きられる)となっている。つまり、男女とも平均寿命より長く生きられるというわけだ。
 仮に、九○歳まで生きた人なら、男性はあと四.二三歳、女性は五.五六歳も長生きできることになる。「あと、何年かで平均寿命に達するけど、もう何年生きられるかなぁ?」など気に病むことはない。
 だが言いたかったのは、この事ではない。国が発表した、人口統計資料によると、未婚者の平均余命が、既婚者に比べて、男性で八.六四歳、女性で七.一歳も短いということである。この数字は四○歳時のものだが、二○歳時になると更にその差は開く。男性で九.一四歳、女性で八.四三歳。早い話、「結婚しない男女は、既婚者よりも七〜九年早く死ぬ」ということである。
 もちろん、個々に事情はあり、一概に論じることはできないのだが、少なくとも統計上はそう言えるようだ。「よかった。結婚しておいて」。
 ストレスが溜まる都度、「いっそ独身の方が良かった」などと、臍を噬んだりもしたのだが、どうやら私の勘違いだったようだ。
 早死にの原因としては、自由度が高いぶん生活習慣に乱れが生じるとか、気遣う相手がいないため無理を重ねやすいなどの理由によるといわれているのだが、やはり「心の張りが持てない」ということに尽きるのではないだろうか。喜びを分かちあえるパートナーがいてこそ、人は頑張れるのである。それが証拠に、パートナーと別れたとたん、平均余命は短縮される。四○歳時の男性で五.○五歳、女性で一.九六歳、やはり別れは双方にダメージを与えるようである。
 もっともこれは死別の場合なのだが、離別の場合だと受けるダメージは更に深くなる。男性で一○.三四歳、女性で四.七九歳も早く死ぬ。男性の場合なぞ未婚者よりもむしろ短命になってしまう。離別をするくらいなら、最初からいっそ結婚しない方が一.七歳も長く生きられる。
 何れにしても、受ける傷は男性の方が深い。この冷徹な数字を頭に叩き込んで、多少の不条理には目をつむって生きるしかない。離別による生存リスクを回避するには、すぐさまスペアを用意するという手もあるのだが、この年になってキャンセル待ちに並ぶ女性がいるとも思えない。やはりここは、かの全亭協(全国亭主関白協会)一○段の名人の如くに、ひたすら「気配を消して生きる」ことしかないのだろうか、トホホ。

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