去年 今年 貫く棒の如きもの
高浜虚子の有名な句である。去年と今年を一本の棒で貫くというのだから、さすが虚子、大変な気迫である。「貫く」が、これほど力を持って表現された例もあるまい。
愛を貫く、とはよく聞く言葉だが、なまなかなことではあるまい。アホ! ボケ! カス! 死ね! と言われてもとことん貫く愛──
こんな川柳がある。
あんさんはアホやアホやとついてゆく
あんたもアホやけど、ついてゆく私はもっとアホ。貫く愛にあふれてはいるが、しんどいことである。
と書いたところで、隣人がこんなことを言いだした。愛を貫くといっても、ボケてきたらどうなるんだろう。それでも貫けるものなのか、と。
ぼくは言ってやりました。
貫けるんだよ、それが。ホれるもボけるも同じ「惚」という字を当てるだろ。惚れる、惚ける。同じことだから大丈夫なんだ、と。
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