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所ジョージ

日常の暮らしの中に、楽しいことは潜んでいる。

所ジョージ

肩の力を抜いた、いい意味での"いい加減さ"を魅力に
お茶の間の人気者であり続ける、所ジョージさん。
コメディアン、司会者、歌手、役者、エッセイストなど
タレント業ではマルチな才能を発揮し、
また、車、ゴルフ、お茶、様々なコレクションなど
芸能界随一の趣味人としても知られている。
そんな人生を楽しむ達人に聞いた
「楽しく生きる秘訣」とは———?

木村― いつもこの対談は、ストーリーを事前に予測しながらお話をお伺いするのですが、今回は所さんに決まって、果たしてこの人はどこから攻めたらいいのか、とても悩みましたよ。

所― 確かに僕のようなタイプは捉えどころがないでしょうね。特定のジャンルに属してないですから。芸能界って、上下関係やライバル関係の中で切磋琢磨するものじゃないですか。他の事務所の人たちを見てると羨ましいですよ。兄さんって呼ばれたり、後輩を可愛がったりしながら、あの関係の中で生まれてくるものって多いと思う。でも僕なんてそういう相手がいないから、自分の世界で完結するしかないんですね。だからモノを作ったり、歌を作ったり、文章を書いたり、色んなことに手を出すんだと思います。

木村― 最近は所さんのようなマルチな人も増えてきましたが、そういう意味ではまさに先駆者とも言える人ですね。

所― でも世の中、何でもありな時代になってきちゃったけれど、何でもありになっちゃうと、これまたつまんないんですよね。規制された枠の中で人と違うことをするから価値がある。枠でぎゅうぎゅうに締められているほうが意外と色んなことを発想できますもん。
 僕は面白いことを世の中に生み出そうなんて、これっぽっちも思ってないんです。「こうすると楽しいんじゃないの?」「こういう見方をすると面白いよ」という提案に近いかな。突飛なことじゃなく、日常の暮らしの中で起こったことの中から、自分が楽しいと思ったことを発表しているだけですから。

木村― でも、それは今の所さんだから影響力があると思うんですが、若いときにこの世界でのし上がっていく過程の中では、なかなか受け入れられなかったのでは?

所― 全然受け入れられなかったですね(笑)だから『ひょうきん族』が全盛の頃も、僕はそこに参加していたわけじゃないので、彼らを横目に静かに自分のことをやってました。今もお笑いブームですけど、何かが流行りだすと、いつもその横に静かにいます。大騒ぎしている主流の人たちがいて、僕は箸休めみたいな存在。で、三〇年くらいこの調子でやってきて、小さな箸休めがいつの間にか太くなってしまった。だから僕はいまだにメジャーだとは思っていません。本質的にはマイナーだと思っている。武道館に一万人集めるような人間じゃなくて、ライブハウスに一万人集めるような人間なんじゃないかなって、そんな気がしてます。冷静に僕のことを分析してみたら、たぶん何にも残らないと思いますよ。たまに自分で自分のやってきたことを振り返ってみるんですが、忘れてることも多いし。「へぇ?こんなことやってたのか」って、他人事みたいですもん。

木村政雄編集長 Special Interview

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