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加山雄三

永遠の若大将

人生の三カン王

木村― 加山さんは、スポーツができて、歌も歌えて、絵も描けて、カッコイイし……。何かコンプレックスってあります?

『加山雄三コンサートツアー』は2月4日「神奈川県民ホール」、11日「豊中市立市民会館」、3月5日「大田区民ホールアプリコ」など。また3月3・4日には『加山雄三with大友直人シンフォニック・ガラ・コンサート』(東京文化会館)が開催されます。いずれも詳細は加山雄三オフィシャルサイト(http://www.kayamayuzo.com)をご覧下さい。加山― コンプレックスというより、本当に自分のやるべき道はなんなのかということがわからないというか……。僕は人が喜ぶことをやりたい。それが天職だろうと思うんです。そうすると映画であり、ステージなんですね、みなさんが喜んでくれることなんだから。でも、それだけかなあとも思うんです……

木村― こういう先輩でもまだ悩んでらっしゃるんだから、我々の年代が悩んでいてもいいんですね。

加山― 悩みのない人生なんかないでしょう。最善を尽くす以外ないんですね。

木村― 最近、熟年離婚というのが取りざたされていますけど、そういうハメに陥らないためには、夫はどうしたらいいんでしょうかね。

加山― 僕はね、50を過ぎてから、家庭のなかで「自分のことは自分でする」ということを徹底したんです。そうすると、双方にゆとりができ、助け合えるし、相手の立場でものを考えられるようになるんですね。

木村― 料理もなさるんですか?

加山― 当然です。船に乗っていましたからね。船ではなんでも自分でやらなきゃいけませんからね。まあ、互いに支え合っていくことですね。ケンカしないわけはないんですよ。ただ、子どもの前ではケンカをしないように努力したんです。

木村― 努力がいるということですね。男性の側に。

加山― 絶対努力しないとだめですね。それからうちの標語に「オレは船長だけど、かみさんは提督である」というのがあるんです。そう思っているのが一番です(笑)。

木村― 今、50代、団塊の世代がリタイアする時期を迎えているんですが、そういう人たちにエールを送っていただきたいんですが。

加山― 趣味をもって、それに邁進するぐらいの情熱をもってほしい。人生の三カン王というのがあるんです。「関心・感動・感謝」を持ち続けること。これを僕は守ろうと思ってるんです。例えば、この年になって陶芸を始めたんですが、これがおもしろい。陶芸の窯まで買ってしまいましたから(笑)。

木村― 会社を辞めてから、趣味を見つけようとしても遅いわけですね。もうちょっと早めに準備しておかないと。

加山― そうなんですよ。健康でいながら、趣味をもって、楽しむことですね。何もしないとどんどん老け込むだけですからね。
 僕は健康についてもものすごく注意して生きてきたんですよ。最近は運動不足に陥りやすいんで、自分の体力にあわせてた適度な運動をやってます。見た目やイメージで商売が成り立っているもんですからね。

木村― やっぱり永遠の若大将でいてもらわないといけませんから。90歳になっても加山さんは若大将でいてほしいと思いますよ。

加山― がんばりましょう。しわしわでよぼよぼの若大将かもしれませんが(笑)。

〈後記〉初めてお会いした加山さん。頬のあたりがややふっくらとはされていたが、語り口そのままに、スクリーンやテレビで拝見していたとおり、自然体の人であった。やはり、スターとはこういう人を指すのだろう。屈折感のない湘南ボーイも68歳。いいキャリアを重ねると、人はこんなにも素敵なミドルになれるのだろうか。(木村)

撮影=牧田健太郎/構成=森國次郎

木村政雄編集長 Special Interview

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