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おカネが5年で38倍になった

――海外不動産投資(1)

 さて、問題はこれからだ。最初の手持ち金は1万ドルだった。5年後、38万ドルになったというストーリー。となると、投資金は、ほれ約38倍ということになるでしょうが。お分かりかな?
 ここで、疑問がいくつも噴出してくるに違いない。まず、素朴な疑問として、家を月賦で買って5年間も持っていたのだから、その間のローンの返済はどうしたか? その分、持ち出しになっているから利益から引くべきだ。というまっとうな考え。いい質問だ。
 しかし、心配は無用。家を貸してたんですな、他人に。するとほれ、ローンは家賃収入をそっくり充当していたから、なにも負担はかからなかった。さすが投資のプロ、ぬかりはない。
 順当なる次の疑問は、自分でもできるの? すなわち日本人にアメリカ不動産購入が可能か? だろうね。
 なんら問題はない。へっちゃら、だれでも買える。でも、英語がねえ……。その心配も察する。しかしロサンゼルスは、日本語をしゃべる不動産セールスにはこと欠かず、よしんば英語を封印したって買える街。なんだい、それならだれでもできるじゃん。そう、海外投資なんて意外に簡単で、2万人くらいの日本人はアメリカに家をもっているのじゃないだろうか。当て推量だけど。なに、自分もあやかりたい? よろしい。
 では、その注意点はなにか? 投資だからリスクはある。そのリスクとはなにか? ローンの引き方は? ドルの為替の問題は? アメリカ政府は税制も、庶民には大盤振る舞いだから、うれしい限りで、そこから話すことにする。
 あら残念、紙面が尽きてしまった。続きは次回になってしまったが、それまでは、虎の子をくだらないものに突っ込まないよう、くれぐれも気をつけていただきたい。ただし、若い子にうつつを抜かすのはよしとする。
 「年甲斐もなく……」というのはいつまでも許されるのですぞ、ご同輩!
 ロサンゼルスにて

加治将一(かじ・まさかず)小説家・投資家。1948年、札幌市生まれ。1978年に渡米。15年間、保険、貿易、不動産関係の業務に従事。帰国後、執筆開始。著書にベストセラー『借りたカネは返すな!』等のビジネス書、『石の扉』などがある他、『妻を殺したのは私かもしれない』『借金狩り』等のサスペンス小説作品も評価が高い。近著に大評判の『性善説は死を招く』『あやつられた龍馬』がある。

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