では、もともと18万ドルを持っている投資家はどうするか?
お金があるのだからローンなどという後腐れある方法より、全額支払った方がいいような気がする。しかしそれでは素人だ。プロはこう考える。
可能なら1万ドルずつに頭金を分け、18戸の家を買う。ここが肝心。
仮に家の値段がさっきのように3倍になったとする。するとどうなるか? 38倍になる。ということは18戸の家に投資したカネがそれぞれ38倍ということになって、あっというまに684万ドルの儲けが生じるわけだ。18万ドルで1戸を買っても儲けは38万ドルだが、ローンを組んで18戸手にすると、684万ドルになる。同じ元手でこれだけ違う。これが「レバレッジ」の魔法、投資の醍醐味だ。
話についてこれるかなあ。すなわち、ローンを利用して投資金額が小さければ小さいほど、値上がった時のリターンが大きいという原理。
極端なことを言えば、投資金ゼロで家を買って、上がれば、儲けは無限大になるということ。だってそうでしょう。頭金ゼロでローンが引けるなら、100億円のビルだって、1兆円の土地だって、なんだって買えるわけだから、無限の儲けなんだね。
バブル期は、およそそんな感じだった。
「頭金はいりません。このビルを買ってくれれば銀行はローンをつけます」
言われた方は、一銭も出さずにビルのオーナーになれるという夢のような話、我も我もと飛びついた。しかし落とし穴があった。不動産価格の暴落だ。ビルの価格は、ローン以下の値段になってしまったのだ。
どうなるか? ビルを売ってもローンは全額返済できず、残債がのしかかる。で、銀行は牙をむいた。揉み手していた手をいきなり返し、差額分を返済しろ、と迫ったのだ。これがバブル崩壊の悲劇だ。
ところがこの時、ぜんぜん平気な人たちがいた。バブル崩壊もへっちゃらで、生き残った人間である。彼らはゆうゆうと遊んで暮らしている。いったいどうやったのか? マジックを使ったのだ。はたしてその奥義とは? その驚くべき答えは次号まで、ぜひ加治の『あやつられた龍馬』(祥伝社)などを読みながら待っていただきたい。
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加治式為替リスクの解消法
――海外不動産投資(3)
加治将一(かじ・まさかず)小説家・投資家。1948年、札幌市生まれ。1978年に渡米。15年間、保険、貿易、不動産関係の業務に従事。帰国後、執筆開始。著書にベストセラー『借りたカネは返すな!』等のビジネス書、『石の扉』などがある他、『妻を殺したのは私かもしれない』『借金狩り』等のサスペンス小説作品も評価が高い。近著に大評判の『性善説は死を招く』『あやつられた龍馬』がある。
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