この鉄則は今も変わらない。現代の方がもっとイージーだ。
なぜなら、アメリカの銀行が日本人にカネを貸す時代になってきたからだ。すなわち、客を奪われてはならじと、個人保証を取らないスタイルに日本の銀行が歩み寄りつつあるのだ。
さらにだ。もっと重大なことがある。
ちょうど3年前、加治の前に一人の男性がやってきた。なにに投資をしたらいいかというのだ。
3回会って、その男性の環境と性格を把握した。で、いくらあるのかと訊いた。4000万円と答えた。ならば、最低二つのことを守るように指示した。その男性はそれを誓った。その上で、アパートを紹介した結果、3年後の現在、その男の純資産は、2億円を超え、毎月、確実に2000万円の現金が入ってきているのである。
守らせた誓いの一つは、そう、今話した個人保証はするなということ。もう一つが、ノンリコース・ローンにしろということである。
ノンリコース・ローンについては、絶対に覚えておいて欲しい。これぞ、敗者を作らないシステムなのだ。
どういう仕組みかというと、仮にローンで不動産を買ったとしよう。そして、なんらかの理由でローンが返済できなくなった場合、担保が取られてしまうのがローンの仕組みだ。ここまでは世界共通だ。重大なのは、ここからである。
景気によって、担保価値が下がるということがある。日本の場合は、担保でローンがまかなえない時は、差額分を一生払い続けなくてはならないのだ。だが、アメリカは違う。担保をハイとお返しするだけで終わり。それでチャラ。たとえ不動産価格が下がっていても、それ以上、返せとは追いかけてはこないのだ。これがノンリコース・ローンだ。
この違いは天国と地獄ほどの差がある。 なにを買うにしろ、この二つを踏まえたうえでの投資でなきゃあ、ちょっとのつまずきで全財産を失うことになる。
否保証人と安全ローンの型
――海外不動産投資(4)
加治将一(かじ・まさかず)小説家・投資家。1948年、札幌市生まれ。1978年に渡米。15年間、保険、貿易、不動産関係の業務に従事。帰国後、執筆開始。著書にベストセラー『借りたカネは返すな!』等のビジネス書、『石の扉』などがある他、『妻を殺したのは私かもしれない』『借金狩り』等のサスペンス小説作品も評価が高い。近著に大評判の『性善説は死を招く』『あやつられた龍馬』がある。
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