前言を取り消すというのは、けっこう恥ずかしいものだと思う。だから意地になってでも取り消さず、前言をそのまま言い張る、というケースも出てくる。
金で買えないものはない。
とホリエモンは言ったが、それが言葉としてあまりにも露骨なので、みんな一瞬黙ってしまった。その黙っている間にホリエモンはどんどん有名人になり、そのままの勢いで牢屋にまで飛び込んでしまった。
ものすごいスピードの出世と没落。ギネスブックものだと思うが、これはしかし数量化しにくいので、ギネスにはムリか。
でもこのスピードはすごいと思う。野球ではあまりないが、サッカーではたまにあるようだ。ゴールまで攻め込んで、攻め込んで、攻め込んで、さあ得点だと思ったボールがこぼれて、敵に拾われ、あっという間のカウンター攻撃で、先にすとーんとやられてしまった。
日本チームは案外それに弱く、最初のころ苦い目にあって以来、最近はカウンターには気をつけている様子がうかがえる。
ホリエモンの勝負も、結局はカウンター攻撃をまともに喰ったということだろう。相手チームは検察庁、というより、日本の法律だな。
ホリエモンは法律があるから勝負ができる。法律がなかったら、何もできないんじゃないか。逆説みたいだけど。
逮捕のあと、テレビニュースではライブドアが金を増殖させた構図を図入りで説明していた。あれをこうして、いったんこちらに回して、こう見せかけておいてから、それをあそこに持っていく。というあれこれを説明していたけど、こちらにはさっぱりわからない。わからないわけで、こちらにはその辺の法律をまるで知らない。でもホリエモン的な仕事というのは、その法律のずれを探して、隙間を見つけて、そこをそっと潜り抜けて、そこで秘密の金を得る。法律世界のインディ・ジョーンズだから、法律を知らなければ何も見えない。
でもニュースの人がそのカラクリの図式を見せながらの説明に、何とはなしのデジャヴュがあった。昔、同じものを見た気がする。
ホリエモンの休息
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