「愉」という字の音読みは「ゆ」である。「ゆ」と言うと、私は銭湯の「ゆ」のノレンを反射的に思い出す。そう思って、「ゆ」は「愉」なり、「ゆ」は愉しいぜ! と湯船につかった心境でいる。
いや実際、風呂はいい。なにせ極楽湯という銭湯があるぐらいだ。今でこそ家の風呂で、ああ……とひと声発して「湯体一致」の境地とやらをめざしているが、東京での学生時代はやっぱり銭湯だった。大学で汗をかいた日(学生運動です)の銭湯はまた格別で、背景画の富士山を眺めながら長時間つかっていたものだ。
察しはつくだろうが三畳一間の貧乏学生。外で待っている彼女の存在はともかく、あの時代はよかったなあ。
学生運動では、世をはかなんだようなことを言っていたが、♪幸せなら手をたたこう……の時代。いや、愉しかったぜ! 今現在、どうすれば愉しいと言えるのか。それは『ファイブエル』で学ばせていただこう。
愉しいぜ!
(毎日新聞専門編集委員/「デイキャッチ・勝ち抜き時事川柳」家元 近藤勝重)
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