木村― 警察から政治の世界に飛び込まれたじゃないですか。これはどういうことだったんですか。
亀井― 簡単、私の動機は本当に簡単。71年当時は、非常事態だった。連合赤軍、極左の連中が爆弾はやるわさ、テロ、ゲリラでしょう。でも警察は内部で喧嘩ばっかりしているわけ。「これじゃ事件の解決ができない」というので、重要事件は警察庁が直接指揮をすることにして、私が一元的に指揮したんです。
そういうなかで最初手がけたのが成田空港事件で、それから、あさま山荘事件、テルアビブ空港事件、ツリー爆弾とか……そういう事件をずうっと追っかけ回していて、「警察というのは所詮、社会のごみ掃除だ。社会のごみを出さんようにするにはやはり政治をちゃんとするしかない」と。わりと短絡的なんだ。
木村― いや、短絡的というより志ですよね。
亀井― 志だけど、非常に短絡的な志なんだね。
77年の11月ですよ、家出るときに、これもひどい話で、女房に「おー、きょう警察辞めるよ」と言ったの。それで女房は後になって、「だまされた。警察官の女房だったのに」って言うんだけど、「おまえ、出掛けに言ったじゃないか。誰かが止めてくれると思った」(笑)。
私はそうやってぱっと辞めた。警察庁は大騒ぎになったんだけど。
それで衆議院議員選挙に打って出ることを決意したんだけど、当時は中選挙区でしょう。地元の選挙区は宮沢喜一先生をはじめ有力者がいっぱいで、どう考えたって当選できる可能性というのはゼロ以下ですよ。だけど、私がよく調査したら、後継者の問題やら、人間関係がうまくいっていないとかあって、それで「出る」という判断をした、「いける」と。
でも実際はどうにもならんかった。どこに行っても後援会なんかできやせん。ある会社に行ったら、おやじが丼に塩を山盛りにして持ってきて、私にばさーっとかけやがるんだよな。それぐらい地元でやられたんです。ところがいろんな不思議なことが起きちゃって、当選するんだな。
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