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益田克也

マジッククリエーターという生き方

「突然にひらめくアイデアを休日に煮詰めます」

 ウィークデーは製版会社で、ほとんどの時間をデスクのPCで作業をしている。印刷用に撮影された写真データや、印刷所に入る前のデータの確認や修正など、細かい作業が延々と続く。そんな時にもマジックのアイデアは突然に湧いてくるのだという。ただその段階では単なる閃きであって、具体的なイメージはもちろんない。少しメモをする程度で、仕事を続ける。そんなアイデアの数々を、益田さんは土曜日と日曜日の休日を使って煮詰めていく。自宅のリビングでカッティングマットとカッター、テープやトランプを使って創り上げる時間が一番楽しいという。
 益田さんの商品化されたマジックアイテムは、あまり量産がきかない作品が多い。工場で一括生産できるものではないので、結局すべてがほぼ手作りとなってしまう事が多い。
 「新作が出る時などは、自宅のリビングはものすごい事になります。家族にも手伝ってもらうこともありますよ」と、あくまでも手作りが基本なのである。その結果、多数のプロマジシャンにも信頼される品質となって、益田オリジナルの価値を高めているともいえるのである。

「何度も何度も、納得がいくまで試作を重ねます」

 彼自身のホームページであるATTO MAGICの他に、日本全国のマジック専門店やインターネットショップで彼の新作はいつも品切れ状態となる。今では東急ハンズなどの量販店からも扱いのオファーがやってきて、実際に「益田克也コーナー」として売り上げも好調なのだ。彼の作品には常にプロさえも騙されてしまう緻密さと大胆さがうまくブレンドされている。もはや基本のトリックは出尽くしたとさえいわれるマジック界に、今新風を吹き込んでいるのだ。
 考えついたアイデアが成功するかしないか、どうやって判断しているのだろう。「一番のモニターは妻と娘ですね。もううんざりするくらい僕のマジックを見せられています」。常にマジック界の常識を打ち破るべく、挑戦するマジッククリエーターである益田克也。その本質は、良きサラリーマンであり、そして良き家庭人でもあるのだ。

大ヒットとなった代表作X-Zone(エックス・ゾーン)。カードのボックスが途中でクロスしていながらも、驚きの結末が待っている。益田の斬新で独創的なアイデアが結実した好例といえる作品。発表時には品切れになるほどの反響があった代表作。

取材=仲西加津美/構成・文=石原 卓/撮影=反田和宏

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