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【和歌山】 2006年9月 第1号

Let's WAKAYAMA LIFE「都会を離れ、和歌山で次なる自分を探す旅」白浜町日置川地域編

レポーター写真

今回のレポーター

上野又勇(51)

出版社の代表取締役時代、『カジカジ!!』『月刊CARトップ』『オンリーメルセデス』等のファッション雑誌やカー雑誌を創刊する。離職した現在、ファッションショー等のイベントプロデュースやプロダクション業務の企画立案をする会社を経営している。

名人に学ぶ
わかやま田舎暮らし

――都会からの移住を考えているファイブエル世代に、和歌山の田舎暮らしを紹介するこのコーナー。
世界遺産の高野・熊野やラムサール条約登録の大サンゴ群落のある和歌山を舞台に、第一回は、日本三古湯のひとつ、白浜温泉から海岸線を南へ三〇分の日置川地域を取材。都会的センスを持ったレポーターが訪れ、様々な名人からスローライフの極意を学んできました。

 まず最初の名人は、紀州備長炭の名匠玉井又次さん(八一)。
赤々ゴウゴウと燃える釜の前に立つと何故か身体が引き締まり、前日の予習なんぞ何も意味しない事を痛感。自分のケチな考え方が先人たちに申し訳なく、安易な気持ちを悔いました。そんな気持ちのなか玉井さんは快く取材に応じて頂き炭焼きの伝統、歴史、海外パラオ、フィリピン炭焼き事情、マングローブの木で作る炭のお話しから、白炭と黒炭の違いまで楽しくお話を聞かせて頂きました。紀州備長炭について熱く語る玉井さん。忘れていた何かを思い出すような、初対面なのにどこか懐かしいお話を伺う。その様な話をいつも炭焼き体験に来られる方にされるそうで、今年五一歳になるレポーターの私にとって、玉井さんから出てくる言葉に懐かしさを感じ、人間と自然のバランスが全ての幸せの元なんだと教えられました。紀州備長炭の玉井さん、ロハス生活のどんな有名な学者から聞く言葉より説得力がありました。

 続いて、大阪府から白浜町日置川に移住して二年と三ヶ月の鮎釣り名人、戸梶聖夫(六二)さんを訪ねました。大阪在住時代にはご夫婦とも小学校の先生をされ、ご主人の聖夫さんは、根っからの釣りマニア。特に鮎釣りに関してはスペシャル大先生。日置川の魅力を尋ねると、ニンマリとした表情でこう語って頂きました。戸梶さん夫婦。移住してからは愚痴をこぼすことがめっきり減ったそう。「日置川の魅力に引き込まれたのは事実ですが、いくら景色や食べ物が美味しいと言ってもそれだけで永住の地にはならないもんですよ。私たちも地域の皆さんに受け入れて頂く様に努力といいますか、五年間はよそ者が住ませていただくという気持ちでいますし、それが地域の方たちとのコミュニケーションの近道だと思います。それに、ここの人たちは、普段は少し距離をおいて接してくれている。その距離感が、とても心地いいんです。」先日、おとり用鮎を入れておく井戸が、近所の方の協力により完成し、そのお返しに鮎釣りの秘訣を伝授した戸梶さん。何気ないエピソードにも地域へのとけ込み具合が垣間見れた。ちなみに、奥様の章子さんはカメラファン。夫婦ともにスローライフを満喫している姿が印象的でした。

大好き日置川の会の皆さんと鮎を囲んで夕食。 夕食では、日置川の良さを伝えるべく、「大好き日置川の会」の皆さんに、民宿前田屋に集まって頂きました。皆さんの地域を愛する気持ちについついとお酒も入り、枚挙に暇がない程熱く語って頂きました。五年間通いつめた後、埼玉県からIターンしてきた鈴木さんによる陶芸教室や、鮎釣りの後に入ったえびね温泉も最高!肌がスベスベになりました。裸のお付き合いが出来る素晴らしさ、人の良さに触れた取材でした。

鈴木さんの陶芸教室。初心者にも見事な手ほどき。 久しぶりに親戚の伯父さんや伯母さんに会えた様な、この歳になって叱られたり誉められたり、私の周りの環境ではあまり意見をくれたり、指導をしてくれたりする人が居なくなっていたのに気づきました。取材時は大雨で、日置川に着いた時に重い気持ちだったのが正直な気持ちでした。雨のため清流日置川の景観にもカメラをあまり向けるところも無く、不安が先に立ったのですが、結局私の思い出は地域の何とも言えぬお人よしで真直ぐな人情の里(和歌山気質)を取材で堪能させて頂いたことだったと思います。私がこの地に移住するならば、ファッションクリエイターのアトリエを作り、田舎と都会の感性を融合したスタイルが発信できる、ニューヨークのSOHOのような拠点を作りたいです。

INFORMATION

「わかやま田舎暮らし」についてのお問い合わせ
和歌山県 新ふるさと推進課
073-441-2930

「日置の郷」住宅用地8区画分譲中
白浜町 土地開発公社
0739-43-5555
135~227平方メートルの物件を分譲中で、価格は728万~1307万円。

木村政雄より

 「ふるさと」を持っていない人が増えています。都会では駅の券売機に向かってお礼をいう必要はないし、「飯」「風呂」「寝る」が言えればそれで事足りるので、「心の機能」は衰えます。お金ではなく気持ちの交換ができるのが田舎の良さ。昔ながらのコミュニティや自然との触れ合いが自分を元気にしてくれます。

 「企業村」や「都会村」しか知らなかった人達が退職し、個人の力でもう一度勝負をしようと思う時、和歌山の田舎に舞台を移すのも手ですね。養殖魚よりも天然魚、人工飼育から抜け出して眠っていた野性を呼び起こしませんか?